2005/12/21

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         お芝居めるまが「シアターリーグ」  
Vol.174                http://www.moon-light.ne.jp/
      発行部数 まぐまぐ:4218 めろんぱん:146 melma:85
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1974年の今日は、映画「エマニエル夫人」が日本で公開された日です。

このフランス映画は、公開時から女性客の人気も集め、
エロティシズムを描く映画を一般に普及させた作品と言われ、
また、映画の年齢制限「R指定」誕生にも一役買ったと言われています。

公開当時は、モザイクのかかっていたエマニエル夫人。
今では無修正版も普通に販売されており、
リアルタイムでご覧になった方は、隔世の感があるのではないでしょうか。

「エマニエル夫人」は、1993年まで7作の映画が作られ
さらにその後テレビシリーズにもなっています。
主演のシルビア・クリステルが椅子で足を組んでいる第1作のポスターや
ムードある映画音楽は有名で、
特にこの音楽は、エロティックなシーンで使われる定番になっていますね。


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            今週の舞台・演劇用語
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「振り落とし・振りかぶせ」(ふりおとし・ふりかぶせ)

歌舞伎の世界から生まれた演出方法で、
お客様の視線を遮っていた幕が一瞬にして落とされ、
その背景(幕の後ろ)にある装置や景色を見せる演出のことを言います。

基本的な仕掛けとしては、バトン(舞台の天井にある物を吊る棒)に
紐を引っかけるための短い突起物が付いており、

バトン┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻

この突起物に紐を引っかけておき、バトンをクルッと回すと・・ズドン!
というのが昔ながらの主流です。

現在「振り落とし」の方法は、
手動から電動まで様々な方法が使われています。
しかし、幕をバトンに引っ掛ける紐や仕組みは変わっておらず、
その紐が何かに引っかかる可能性も・・・

場面転換は、映画やテレビなら編集作業によって簡単に行えますが、
舞台では「所変わって」「そして数年後」
といった変化を一瞬で行うのが難しく、
この失敗の危険を伴う演出が用いられることが多いのです。


ところで「振り落とし」によって落とされた幕ですが、
もちろん舞台上そのままには出来ません。
そこで、袖にいるスタッフが引っ張って片づけたり、
歌舞伎では、幕裏の幕が落ちる辺りに裏方がいて
落ちた幕をかぶって上下にはけていったりします。

これはまるで落ちた幕が歩いてに退場していくようにも見えますが、
しかし、この片づけている瞬間をお客様が感じることは少ないのです。
幕が落ち場面が変わることで、その新しい場面に目がいってしまうのですね。

浅葱幕(昼間の幕)から黒幕(闇・夜の幕)
黒幕から浅葱幕というのが歌舞伎の醍醐味ですが、
振り落とされた幕の行方など気にせずに、
純粋に舞台を楽しんでくださいね。(^O^)

今年最後の次回は「忘年会」という用語をお届けしようと思ってま〜す。
さて、演劇用語なのでしょうか?
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取り上げて欲しい「演劇用語」募集中!



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あとがき

早いもので今年も残り10日。
と言うことで、今年の演劇界をちょっと振り返ってみると
グローブ座を持つジャニーズが早稲田演劇博物館、
ホリプロがアートスフィア、アミューズがコマ劇場、オスカーが明治座など
プロダクションと劇場との提携や買収話が多かった一年のように思います。

これらは、ここ数年の演劇界の盛況が理由であり、
またテレビ界、特にドラマの低調が理由と考えられますよね。
上記のプロダクションは、どこも多くの所属俳優がいますし、
今後は舞台への出演が不可欠との見方があるのかもしれません。

一方で劇場側は、単独での運営が厳しいという背景もあるようです。
さらに、戦後まもなく建てられた劇場は50年程経過し、
老朽化に伴う改築、閉場なども相次ぎました。
特に地方の大衆演劇劇場苦戦の報は多く、
観劇人気の高まりも、依然都市部中心の話しなのかな、という感じもします。

ところで、これまであまり舞台に縁がなかったlivedoorとフジの提携第1弾が
ミュージカル「グランドホテル」だったのも驚きでした。
両社には、おもしろくなければやらない、儲からなければやらない、
といった印象があるだけに、この提携事業は気になるところ。
ここ数年、ミュージカル界は順調に業績を伸ばしているそうですが、
この両社が参入してきたところを見ると、
まだまだ伸びしろは大きい、という判断なのでしょうか。

最近は、ネット動画配信の会員数は大きく伸び、
DVDの売上げも好調な一方、テレビの視聴率は下降線をたどっています。
音楽CDで、ある曲だけが爆発的に売れる状況がなくなってきたように、
好きな作品を選んで観るようになってきているということですよね。
しかし舞台では、一部の人気の劇団や公演が全体を支えている状況。
TEAM-NACSのブレイクを見ても、まだまだテレビなどの影響は大きいですが
後はどう底辺を広げていくか、ということですよね。
ネットのおかげで口コミの広まりは全国規模になりましたし、
実力があれば人気を得られる時代に、少しずつ近づいているようにも思えます。

                               kantaro
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