シアターリーグ > シナリオ > 桃太郎~never_ending_story >
 
桃太郎~never_ending_story
作 工藤大嘉
 


ナレーター「あるところにおじいさんとおばあさんがいました。」
ナレーター「おじいさんとおばあさんは大変仲が悪くいつも喧嘩ばかりしていました。」
 おじいさん・おばあさん喧嘩をする
ナレーター「喧嘩をした後はお爺さんはお家でゲームを。」
 おじいさんゲームをやる(一言)
ナレーター「おばあさんはお外でパチンコをするのがいつものパターンでした。」
 おばあさんパチンコをする(一言)
ナレーター「するとなんということでしょう。パチンコの玉と一緒に桃が流れてくるではありませんか。」
おばあさん「桃?」
ナレーター「なぜ桃がパチンコ玉と一緒に流れてきたかは分かりませんが、おばあさんはなんとなくその桃を家に持って帰ることにしました。」
ナレーター「するとなんということでしょう。桃がどんどん大きくなるではありませんか。」
おばあさん「なんじゃこりゃ。」
ナレーター「どんどん大きくなる桃に驚いたお婆さんは思わず桃を落としてしまいました。」
おばあさん「ひゃっ!」
ナレーター「すると桃の割れ目から子供が出てきました。」
ももたろう「パッカーン。」
ナレーター「おばあさんは子供を育てるのはお金がかかるし面倒だと思い、そこからいなくなろうと思いました。」
おばあさん「パチンコできなくなっちまうよ。」
 おばあさんの手を掴むももたろう
おばあさん「・・・他にもっといい人がいるから・・・ごめんね・・・」
 手を離し家に向かおうとするが再び手を掴まれる
おばあさん「・・・しょうがないねえ・・・」
ナレーター「なんだか気になったお婆さんはその子供を家に連れていきました。」
おばあさん「ただいま・・・」
おじいさん「遅いぞ、早く飯の支度をしろ。くそばば。」
おばあさん「言われなくてもそうするわ、くそじじい。」
おじいさん「なんだって!もういっぺん言ってみろ!」
おばあさん「くそじじい!」
 殴り合う2人
ももたろう「やめて!」
おじいさん・おばあさん「・・・」
おじいさん「なんじゃこの子は?」
おばあさん「パチンコの景品だよ。」
おじいさん「人をものみたいに言うんじゃねえ!」
おばあさん「あんたが言うな!」
 ももたろう泣く
おじいさん「おーよしよしごめんなー・・・おまえさん、名前はなんと言うんじゃ?」
ももたろう「・・・名前がありません・・・」
おじいさん「・・・」
おばあさん「ももたろう・・」
おじいさん「ほ?」
おばあさん「この子、桃から出てきたんだよ、だから桃太郎。」
おじいさん「ついにボケよったか・・・」
ももたろう「本当なんです、僕、桃から出てきたんです。」
おじいさん「ど、どうやって?」
ももたろう「こう、パッカーンって。」
おじいさん「パッカーン?」
おばあさん「パッカーンって。」
おじいさん「パッカーン・・・」
 SEももたろうのお腹の音
おばあさん「桃太郎、お腹が減ったかい、いまご飯作るからね。」
おじいさん「パッカーン・・・」
ナレーター「こうして桃太郎はおじいさんとおばあさんと暮らすことになりました。」
 
 外で遊んでいる桃太郎・おじいさん・おばあさん

おじいさん「おいばあさんや、少し話がある。」
おばあさん「なんだい、新しいゲームを買うお金はないよ。」
おじいさん「そんなんじゃないわい。」
 チラシを見せる
おばあさん「なんだいこれは?鬼を退治してくれる勇者求む!倒した者には賞金1000万・・・1000万!?」
おじいさん「声が大きいわい!」
おばあさん「おじいさんが鬼退治?」
おじいさん「そうそう、鬼がじじいだと思って油断したところをこうパッカーンって・・・バカタレ!わしじゃないわい、桃太郎じゃ!」
おばあさん「桃太郎を?」
おじいさん「・・・わしらの年金も底が見えとる、これ以上桃太郎に飯を食わせることもできん・・・桃太郎が鬼を倒せば賞金1000万、鬼に倒されても桃太郎はいなくなる。」
おばあさん「おじいさん・・・あんたなんてことを!」
おじいさん「しょうがないんじゃ!わしらが生きるためにはこれしかないんじゃ!桃太郎には悪いが鬼退治に行ってもらう。」
おばあさん「・・・」
おじいさん「桃太郎にはわしが話しておこう。」
 ボールで遊んでいる桃太郎
おじいさん「桃太郎や、もう帰る時間だよ。」
桃太郎「うん!」
 3人家に帰る
おじいさん「あー着いた着いた。」
桃太郎「ただいま。」
おじいさん「ばあさんや飯の支度をしておくれ・・・」
おばあさん「はい・・・」
おじいさん「桃太郎や、ちょっといいかね。」
桃太郎「鬼退治?」
おじいさん「おまえ、なんでそれを・・・」
桃太郎「さっきちょっと聞こえちゃったんだ・・・ぼくいくよ鬼退治・・・」
おばあさん「桃太郎・・・」
桃太郎「そうすればおじいちゃんもおばあちゃんも生きていけるんでしょ、ぼく一生懸命鬼をやっつけるよ!そしたらお金がたくさんになってみんなで暮らせるんでしょ!」
おじいさん「ごめんな・・・ごめんな・・・桃太郎。」
桃太郎「おじいちゃん、なんで謝るの?ぼくやっつけるから、ちゃんと鬼をやっつけるから。」

ナレーター「こうして桃太郎は鬼退治に行くことになりました。」
おばあさん「桃太郎、忘れ物はないかい?」
ももたろう「だいじょうぶ!」
おばあさん「本当に?あ、お団子もっと持った方がいいんじゃないかい?」
ももたろう「だいじょうぶだよ、おばあちゃん。」
おじいちゃん「桃太郎、気をつけてな。」
ももたろう「うん・・・じゃあ行ってくるね!」
 歩き始める桃太郎 しかし途中で脚が止まって震える
ももたろう「あれなんだこれ・・・くそ止まれ止まれ!」
おばあちゃん「桃太郎・・・」
桃太郎「鬼をやっつけるんだ、みんなで暮らすんだ・・・くそくそ!」
 思わずかけよるおばあちゃん
おばあちゃん「桃太郎!」
桃太郎「おばあちゃん?」
おばあちゃん「ごめんね桃太郎、無理させたね・・・ごめんね・・・ごめんね・・・」
桃太郎「大丈夫だよ、鬼を、鬼をやっつけるんだ・・・」
 かけよるおじいちゃん
おじいちゃん「桃太郎!・・・ごめんな、ごめんな。」
桃太郎「鬼を・・・鬼を・・・」
おばあちゃん「もういいから!鬼なんか倒さなくてもいいから!ずっと側にいておくれ桃太郎。お金の事はなんとかするから!パチンコ止めて、働けばいいだけだから!ね?」
おじいちゃん「ばあさん・・・そうだ、ゲームを止めて働こう!それが一番じゃ!桃太郎ずっと側にいておくれ。」
桃太郎「おじいちゃん・・・おばあちゃん・・・うわーん。」
おばあちゃん「よしよし、恐かったね、桃太郎。」
おじいちゃん「わしらがずっと側にいるからな。」
ナレーター「こうして桃太郎はおじいさんとおばあさんと幸せに暮らしましたとさ。おしまい。」

            おしまい



 
シアターリーグ > シナリオ > 桃太郎~never_ending_story >