2009年10月21日

vol.374 | 報道の肩書き

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         お芝居めるまが「シアターリーグ」 

Vol.374                 http://www.moon-light.ne.jp/
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2001年の今日は、長崎オランダ村が閉園した日です。

オランダの町並みを大村湾の入江に再現したテーマパークとして、
1983年に開業した長崎オランダ村。
1992年には佐世保にハウステンボスがオープンし、
両園は連絡船で行き来できるようになっていました。

しかし、来場客の減少などにより、2001年にオランダ村は閉園。
ハウステンボスも2003年に会社更生法を適用し、再建が進められています。


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              演劇ニュース
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第57回菊池寛賞
坂東玉三郎、本木雅弘と映画「おくりびと」製作スタッフなどが受賞

第34回ホリプロタレントスカウトキャラバン
グランプリは千葉出身の小島瑠璃子

鹿賀丈史・市村正親「それぞれのコンサート」
ミュージカルコンサート来年開催

演劇と映画の本屋さん
演劇ぶっくが運営していたネット書店が閉鎖していました

「身毒丸」再演でオーディション実施
蜷川幸雄演出「身毒丸」が2011年に再演・身毒丸役オーディション

日本脚本アーカイブズ
日本放送作家協会がテレビドラマなどの脚本・台本を収集・保存

2009/10/18までの1行ニュース

演劇チケット発売情報


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             シナリオ Pick Up!
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シナリオリーグ」に掲載されている戯曲からPickUp!

■「ザ・パッションー秋の日のヴィオリンのためいきのー」(神ひろし)
ダンサー・俳優神ひろしが自ら描く悲喜こもごものダンサーの世界!
ストーリー展開の1幕が、2幕では別作品かと思わせるライブコンサート形式に
変貌する斬新な作品!虚実交えての人生讃歌!


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             今週の舞台・演劇用語
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「芸術監督」(Artistic Director)

芸術監督とは、劇場や劇団、芸術に関する祭典など、
組織が運営される場合における、芸術の面での責任者を意味します。

芸術監督は、日本ではあまり馴染みのない制度でしたが、
1980年代頃から芸術監督を置く劇場などが少しずつ増えてきています。
最近では、彩の国さいたま劇場の蜷川幸雄、東京芸術劇場の野田秀樹などは
一般にもよく知られているのではないでしょうか。

劇場における芸術監督は、演目を選定し、
どんな特色を持った劇場にするのか、といった辺りが重要な仕事となります。
つまり、劇場を演出するような役割であるため、
演出家や振付師が芸術監督に就任するケースが多くなっています。

また、日本ではまだあまり多くありませんが、ヨーロッパの多くの劇場では、
劇場の芸術面を演出するだけでなく、予算や人事などについても責任者となる、
つまりプロデューサー的な役割をも担う芸術監督も数多く存在します。
しかし、興行成績と作品の質というのは比例しないことも多く、
また日本では芸術監督の歴史も浅いため、
そもそも芸術監督の役割、存在意義は何なのかといった辺りも曖昧であり、
新国立劇場の次期芸術監督の人事問題なども生まれてしまっています。
今後も様々な問題や議論が巻き起こり、それが煮詰められることによって、
日本における芸術監督というものも、定まっていくのかもしれません。

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あとがき

常盤貴子と長塚圭史がご結婚されましたね。
思えば、2人の交際が明らかになったときのマスコミ報道は、
「常盤貴子が長塚京三の長男と」と長塚圭史の名前がないことがほとんどで、
ちょっと寂しいですね、と当欄に書いた記憶もありますが、さすがに今回は
「常盤貴子が長塚圭史と結婚」といった感じの見出しがほとんどでした。
長塚圭史が有名になったとマスコミ各社が判断したのか、
結婚の時まで京三の息子と書くのはどうかと思ったのかわかりませんが・・・

代わりに、今回の報道でおもしろかったのは長塚圭史の肩書。
私だったら「阿佐ヶ谷スパイダース」の名を入れようと思うのですが、
朝日は「劇作家の長塚圭史」、読売と毎日は「劇作家で俳優」、
産経と日経は「俳優で演出家」と、見事に分かれていました。
一番長かったのはスポニチで「日本演劇界の次代を担う人気劇作家で俳優、
演出家としても活躍する長塚圭史」。

今回はおめでたいニュースで、知らない人のためにわかりやすく紹介する
という意味があるのだろうと思いますが、
しかし本当にマスコミ報道は肩書きが好きですよね。
例えば、警察官が犯罪を犯したとか、プロドライバーが交通事故を起こした
といった場合に肩書きが報じられるのは必然だと思うのですが、
「ひき逃げの疑いで無職、名無しの権兵衛容疑者を逮捕」、
「火事で無職、ジョン・スミスさんが重傷」などと、職業がまったく
関係ない事件でも、必ず肩書付きで報じるのはいかがなものかと思います。

マスコミはほとんどの場合年齢も記しますから「無職、山田太郎(80)」などと
職に就いている方が希であろう高齢の方に、わざわざ「無職」と記したり、
事件の被害者なのに「無職男性(40)」などと書いていることも珍しくなく、
これは嫌がらせ以外、何の意味があるのかと思い悩んでしまいます。
常に肩書きをつけたがるのは、日本社会の文化の1つなのかもしれませんが、
この辺り、マスコミにはもう少し柔軟に対応してもらえると良いですよね。

                               kantaro
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■発行 : 有限会社moon-light

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「vol.374 | 報道の肩書き」奥付

  • Posted : 2009年10月21日 15:00
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