2010年5月19日

vol.404 | 文章の書き方

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         お芝居めるまが「シアターリーグ」 

Vol.404                 http://www.moon-light.ne.jp/
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1977年の今日は、最後のダイレクト・オリエント急行がパリを出発した日です。

パリとイスタンブールを結ぶ列車として、1883年に誕生したオリエント急行。
アガサ・クリスティの「オリエント急行殺人事件」も非常に有名ですね。

1930年代頃には、高級長距離列車として人気を博したオリエント急行ですが、
飛行機などの発達により、1977年をもって高級な直通列車は終了。
その後、同区間は普通の列車が走りましたが2009年に廃止となっています。

しかし現在でも、いわゆる豪華列車のオリエント急行は、
観光用としてヨーロッパを中心に走っています。
ちなみに、ベニスとロンドンを結ぶ列車は1泊2日で30万円ほど。
ドレスコードもあり、往年の雰囲気が残されているようです。


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              演劇ニュース
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劇団四季の専用劇場「北海道四季劇場」札幌に誕生
2011年1月にこけら落とし

勅使川原三郎 佐東利穂子「オブセッション」
ルイス・ブニュエル監督「アンダルシアの犬」から着想

東京芸術劇場で高校生割引
NODA・MAP「ザ・キャラクター」高校生¥1,000円に

超字幕に新機能「単語登録」
映画で学ぶ英語学習ソフト

「借りぐらしのアリエッティ」種田陽平展
7月17日に公開されるスタジオジブリの新作

裏切りの街
PARCO劇場にて上演中

シネマ歌舞伎「大江戸りびんぐでっど」
宮藤官九郎脚本・歌舞伎座さよなら公演が10月16日公開

映画「マイ・バック・ページ」
妻夫木聡×松山ケンイチ出演・2011年公開予定

マイケル・ジャクソン遺品展&映画「キング・オブ・ポップの素顔」
5月19日より六本木ヒルズで開催

余命1ヶ月の花嫁
6月15日より世田谷パブリックシアターで開幕

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             今週の舞台・演劇用語
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「不条理演劇」(ふじょうりえんげき)

「不条理」とは、道理に合わないこと、筋が通らないことを意味します。
具体的には、人と人、人と世界との関係が非合理なことで、
語源はフランス語の「absurdite」。(英語では「absurd」)
カミュが用いたことから、現在の用法になったと言われています。

そして「不条理演劇」とは、そうした人の不条理さを表した演劇のことです。
具体的には、人が生きることの不毛さ、生と死、
道理や条理では割り切れない人の不条理さなど、
つまり人の存在そのものを問うている演劇だと思われます。

発祥は1950年代、フランスを中心に欧米で興った前衛劇で、
代表的な作家として、カミュの他にベケット、イヨネスコなどがいます。
日本では、別役実が代表的ではないでしょうか。

不条理演劇には、カミュの「カリギュラ」のように、
理に叶った条理的な物語や登場人物の行動の裏から、
人の不条理性を訴えかけるものと、
ベケット「ゴドーを待ちながら」のように、
物語や登場人物の行動そのものが不条理な作品に大別することができます。
特に後者に関しては、演劇自体が不条理なものとなってしまうため
「反演劇(アンチ・テアトル)」(Anti theatre)とも呼ばれます。

ところで、先週ご紹介した「シュルレアリスム」は、
夢や無意識下の世界で不意に強く感じる現実的な感じ、
「超現実」を露呈させようとした芸術のことです。
ですから、現代の日本語として使われている「シュール」は、
本来この「不条理」を使用した方が適切なのかもしれませんね。

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■取り上げて欲しい「演劇用語」募集中!


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あとがき

演劇用語を校正していて思ったのですが、
こうした用語やニュースなどで、どこまで私的な解釈と思われる部分を
文章に含ませていいものか、非常に難しく感じます。
当欄のように署名付きで書いているときは、
「マスコミはおかしなミスリードをするな!」などと
好き勝手な意見を書けるのですが、それ以外であまり私見を入れると、
それこそミスリードする文章になってしまう危険性をはらんでいますものね。

基本的に私たちは、何でも事実だけ書こう、と思っているのですが、
すべて事実だけ書いていると、少しもおもしろくないような気もします。
また、演劇用語に関しては、私と担当者とで見解が違うことも多々ありますし、
辞書を引いても、辞書に書いてあることさえも納得できない場合もあって、
思案に思案を重ねていると、そもそも事実とは何ぞや、となることも。
実在する物や実際に起こったことだけですべてが説明できれば良いのですが、
例えば「不条理」の意味をそれだけで言い表すなんてそれこそ不条理ですし、
本当に難しいところです。

演劇用語は、メルマガに掲載した後、
サイト上にも別途掲載しているのですが、
後日調べたりアドバイスを頂いたりしながら、日々加筆修正しています。
特に、読んでくださった専門の方や詳しい方々から
ご意見やご指摘をいただけるのは、非常に勉強になるのはもちろん、
私たちが気がつかなかった視点などもあり、とても助かっています。
ですから、もし何かお気づきの点などございましたら、
メールでもtwitterでも掲示板でも何でも結構ですので、
お気軽にご連絡いただけると嬉しく思います。

                               kantaro
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「vol.404 | 文章の書き方」奥付

  • Posted : 2010年5月19日 16:09
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