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2004年4月17日

パクリ・盗作

どうも最近「パクリ」の話題が多いような気がする。

ドラマで言うと、新春の連ドラだった
草なぎ剛主演の「僕と彼女と彼女の生きる道」が
ダスティン・ホフマン主演の名画「クレイマー、クレイマー」と
酷似しているという点で話題を呼んだり、
年始には「武蔵」第1話が黒澤明の「七人の侍」を盗用したと
黒澤プロが提訴した件もあったりと、
聞いているだけでも悲しくなってしまう。

音楽で言えば、河口恭吾の「」がラジオから流れてきて
はじめて耳にしたときはかなり驚いた。
徳永英明の「僕のそばに」と、サビがまったく同じなんですもの・・・
これまでも日本の歌謡シーンではパクリが横行していたと思うけれど
それは海外のアーティストの楽曲を盗用したものがほとんどで、
B'zほどやらなければ、知っている人は気づく、知らない人は気づかない、で
まかり通ってきたのだろうけれど
10年以上前の曲とは言え、日本でヒットしたシングル曲からとは・・・


こうして「パクリだ」と言う人がいると、
必ず出てくる反論が「それはオマージュだ」というもの。
が、芝居で設定をそのまま流用したり、
音楽で似たフレーズを延々使うのは、オマージュとは呼ばないと思う。

例えば、芝居なら
ある1シーンで、オマージュすべき作品と同じ小道具が用いられているとか、
音楽なら、有名な1フレーズがわかりやすく織り込まれているとか、
ジャケットやパンフレットがそっくりに作られているとか・・・
そういう、知っている人が見聞きしてニヤリとできる、
作品の重要な部分とは関係ないところで、
この人、この作品にインスパイアされてこの作品はできました、と提示する、
それをオマージュと呼ぶのではないだろうか。


けれど、「パクリ」を批判めいて書いてはいるが
あたしは一概にすべての盗用・盗作が悪いとも思っていない。
例えば、昔フジのドラマで鈴木保奈美主演の「愛という名のもとに
という作品があり、これはアメリカ映画「セント・エルモス・ファイアー」を
設定から序盤のストーリーまでパクったドラマだったけれど、
その後の物語の展開も良かったし、ドラマ自体もしっかり作られていて
ドラマの方も、違った作品として楽しんで観ていたように思う。

また、手塚治虫の「ジャングル大帝」の盗用だと話題になった
ディズニーの「ライオン・キング 」にしても
手塚にインスパイアされた、というレベルの盗用ではないにしろ、
ディズニー側がジャングル大帝の良い部分はそのまま使い、
きちんと咀嚼した上でアメリカ的なスパイスを加味する、という感じで
やはり見応えのある作品になっていると思う。
ただ、噂では
手塚の遺族は「ディズニーが手塚のを盗作したのなら、手塚も本望でしょう」
という姿勢を示してはいるようだが
七人の侍」を同じくアメリカで西部劇にしたように、
リメイクなりのきちんとした方策を取ってやってほしかったけれど・・・


全ての芸術は模倣から始まると言うし、
音楽では、基本的なメロディラインや気持ちいいコード進行は出尽くし、
大胆なアレンジやミクスチャーの方向しか残っていないのではないか
とも言われている。
これからの時代、完全に新しいものというのは
なかなか創り出すことは難しいのだろうし、
文化的なものこそ、どこからどこまで盗用なのか、
ということを判断するのも、非常に難しい問題だと思う。


ただ、パクリの話であたしがどこからどう見ても許せない人物がいる。
その人の名は新堂敦士。
さすがにマスコミでも取り上げられ始めたようだが
岡村靖幸、hide、Mr.childrenなどの
あっちの曲のメロディに、こっちの曲の詞をのせて・・・
という調子で楽曲を自らのオリジナルとして発表、
そしてこれが結構売れているという。

この人くらいになると、
パクリ云々ではなく、完全に人の褌で相撲を取っているわけで
プロとして成立していないのは勿論、
人間として何を考えているんだか不思議になってしまうのだけれど、
こういう人にとやかく言っても仕方がないのだろうし、、、
それより!
日本のレコード会社は、こうした明らかに著作権を侵した作品を発売しつつ
一部の犯罪者が侵している著作権侵害を理由に、
CDはCCCDという偽CD化を進め、外国CDの輸入すら規制しようとしている。
ここにも大きな矛盾が存在するわけで、
まあCCCDにしろ、今進んでいる輸入CDの規制にしろ
文化的視点などまったく持ち合わせず、
自社やメーカー側の利益しか考えていない人達が上に立ってやっているわけで
パクリの件にしろ、あたしなんかがここで考えていても
虚しいだけのような気がしてきてしまう、今日この頃なのです。

ーメルマガ「シアターレビュー」vol.25よりー

「パクリ・盗作」奥付

  • Posted : 2004年4月17日 19:15
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