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房之助が行く 大正昭和を動かした巨大惑星

既存の演劇、映画でえられないテイスト、オリジナリティを基本に未来を創造すべく、22世紀プロジェクトを始動します。脚本20作品の4作目は政治がテーマ。
「政治はカーテンの内側で動く。」古今東西、王、天皇、教皇、様々な社会システムのリーダーの傍らには、必ずブレーンや、権力のまとめ役が存在した。「陛下や首相は万民から敬愛されるもの。わたくしの役目は、天下万民に嫌われようと、諸外国にけむたがれるをよしとし、天下安寧を願うものであります。」大正昭和の雰囲気をののこしながら政治劇を、大胆な歴史観やアクション要素でしあげています。満州事変、5・15事件 2・26事件、太平洋戦争、戦後など歴史の転換点で政治を下支えしてきた久原房之助。欧米の植民地戦争に抵抗し、日本を精神的、物理的に守り続けた男たちの情熱の物語。

no image 著者名 神尾直人
所属 22世紀プロジェクト
初演
上演時間 2時間
 
スタイル ストレート
ジャンル 歴史/人間
登場人物 12人
☆房之助勢力 政界
○ 久原房之助 政友会総裁 50代
○ 田中義一  内閣総理大臣 房之助同郷の兄貴分50代
○ 高橋是清  大蔵大臣 房之助たちの 50代
○ 吉田茂   外務官僚 後の総理大臣 40代 
○ 近衛文麿  内閣総理大臣 50代
○ 久原清子  房之助の妻、義介の妹 40代

☆房之助勢力 実業界
○ 鮎川義介 日産コンツェルン 房之助の義兄 40代

☆対抗勢力 政界
○ 森恪 辣腕謀略官僚40代

☆軍部勢力
○ 2・26青年将校 20代
○ 思想家 北一輝 40代

○ 番記者たち 20代
○ スターリン
読書方法 電子書籍で個別販売
著作物保護のため作品の一部を掲載しています。
(isbn取得、アマゾンなどで電子書籍として販売いたします。販売重視ではなく、認知度(上演回数)重視をしておりますので、是非とも上演をご検討くださいませ。)
上演方法 ・ポスターなどの広告物に作者名を掲載してください。
・上演の際は、ご連絡ください。上演費用は形式上いただくと思います。
・ご要望があれば演出、監修を担当させていただきますので、お気軽にお声がけください。
概要 ● 覚醒 2度目の人生 鉱山王から、政界へ華麗なる転身
藤田財閥を小坂で立て直し、独立して日立鉱山で巨万の富を得て、戦争景気にのり、政府依存の三菱三井とは一線を駕する、独立系久原財閥を形成するも、政界恐慌のあおりを受け、久原財閥は破綻寸前。追い討ちをかけるように、母文子が病没、腸チフスで倒れて1年休養をよぎなくされる。
死病腸チフスから奇跡的に生還した房之助は、人生観が変わる。「実業界での成功は栄枯盛衰、夢のまた夢。ただ財閥を巨大化させ、自己の富を蓄積することに邁進した」「これからは、己のためでなく、世のため人のため、公に尽くす」生まれ変わった房之助は、政界に堂々、乗り込むのである。「おらが内閣に」「株主を味方にせよ。巻き返し」
● 森恪のマキャベリズム 満州某重大事件
現場世情の詳しく、財力、仁力のある房之助に声をかけたのは、故郷山口萩の兄貴分、田中義一であった。対して房之助にたちふさがるのは、森恪。希代のマキャベリストによる官僚体制は、政界を牛耳る勢力であった。苛烈な中傷合戦、謀略、陽動、勢力争いに日々明け暮れる房之助。「田中内閣発足の一場面」「久原弾劾」「対中工作との議論」
「内閣総辞職 田中憤死」
● 反乱軍を討て 5・15事件 2・26事件
マスコミを巧みに利用した大衆政治は、日本を戦争の道へと歩ませようとしている。
既に大臣を辞して、黒子に徹した房之助は、財力と組織力を駆使して議会の大半を手中にしていた。そこに2・26事件の黒幕“怪物北一輝”が現れる。軍部によるクーデターを知り、これを阻止せんとするのである。「幻術師北一輝」「だるま宰相の最後」
● 世界戦争を回避せよ 雪のクレムリン
田中に続き、高橋が世を去り、傷心、消沈の房之助に、天は休む暇を与えなかった。まるで、.忙しさで悲しみを忘れさせるくれるかのように。欧米による植民地戦争の標的とされることを危惧していた。戦争屋による極東アジアの分断、戦争を回避するのは、中国、ロシア、日本による“非戦中立緩衝地帯”をスターリンに説くしかないと考えた房之助は、義弟鮎川義介とともに仇敵ロシア乗り込む。「雪のクレムリン宮殿」「マキャべりスト最後の謀略」
● 獄中政治家
戦争回避のため奔走する房之助に軍部の圧力がかかる。2・26事件の関与した嫌疑により、投獄されてしまう。堀の中からの不屈の政治活動を続ける。「獄中での世界大戦=マネーゲーム」国際金融資本とのマネーゲームを指示し、勝ち得た利益を政党の政治資金にあてる。しかしあろうことか政党、官僚の側から、軍部に迎合し、森の謀略により対中感情が悪化。その結果、田中、高橋が死の間際まで反対した対中戦争、世界大戦に参戦する世論が出来上がってしまう。
大正時代。市民がデモクラシーという甘く幻想的な“自由.”を手にした時代。西洋文化が花開き、繁栄は永久に続くかのようであった。しかし、国際金融資本に仕掛けられた世界恐慌、植民地戦争の結末は、日本を最悪の結末へと導いていく。欧米の植民地ゲームに乗ってはいけない。房之助の願いは虚しく、軍人、政治家、マスコミ、市民に至るまで、戦争やむなしの挙国一致体制が完成し、日本は中国、欧米列強との泥沼の持久戦争へと突入する。「逮捕、投獄」「久原政治論」
● 井戸塀政治家 惑星は回る
日本はアジア植民地の開放したが、白人との戦いに敗れた。敗戦、そして占領。結果とはともかく、やれることはやった。戦争に負けた日本は、廃墟から立ち上がる。時代は変わった。凄まじい戦後復興の中で、バラックは、ビルへと変わった。戦後景気にわく、山口県萩に、齢80を超えた房之助の姿があった。衆議院選挙の演説。「」時代は、房之助の理解しなくなった。落選した房之助の政治生命は尽きたかに見えた。しかし、皮肉というか、ご都合主義の自由党から再び房之助をかつぎだす動きがある。日中国交正常化の前哨交渉。房之助が生涯夢見た東アジアの平和をとくため、民間人として毛沢東と会談する。会談の後、午後3 時の昼寝に入った房之助は、そのまま永遠の眠りにつく。
あらすじ 久原房之助という人物を知っているだろうか。知っているかと問われれば、おそらく大半の人が、知らないと答えるだろう。大正昭和を通じて、鉱山王として一代長者にのし上がり、政府系の財閥三菱、三井に劣らぬ、独立系財閥を築きあげ、後年は政界に乗り出し、政財界を動かし、明治2年から、昭和40年までおよそ100年激動の時代を生き抜いた傑物である。
名前を残さなかったのは、彼があくまで黒子に徹して、歴史の表舞台には顔をださなかったためである。とわいえ、当時の新聞は房之助のことを、こう評している。「怪物」「政界の巨大惑星」。大正昭和にかけて、かの田中角栄以上の財力政治を繰り広げ、私財、生涯の全てをかけて日本を支え、動かし続けた人物である。
政治とは、権力とは何か?それは、権謀術数であり、財力であり、組織力である。
ただ、議席数を争い、予算を取り合い、政敵を葬るのみが政治ではない。
金を動かさず、手も汚さない政は、政治ではない。清濁併せ呑み、功罪ともに評されてはじめて政治家といえる。
白人による植民地戦争に挑み、政界を自在に遊び、命燃え尽きるまで、“暗躍”した政界の巨大惑星、久原房之助の物語である。
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