あぶらげ

「あぶらげ」(あぶらあげ)(油揚)
「はんぺん」(半平)(半片)

舞台を高くするときなどに使う台を「平台」といいます。
平台は、その用途ゆえ多くが直方体(四角形)ですが、
三角柱(三角形)の平台が使われることもあります。

そして、この三角の平台のことを俗称で「あぶらげ」と言います。
「あぶらげ」という呼称は広く日本中で使われているようですが、
関東地方の一部では「はんぺん」と呼ぶところもあるそうです。

どちらも、その三角形の見た目から付けられた名前だと思いますが、
あぶらげ・はんぺん共に三角形と決まっているわけではありませんし、
売られているときは、むしろ四角形のことが多いですよね。
複数の俗称がつけられていながら、
似たような品目・理由であるところが非常に興味深い感じがします。

なお、これらの呼称は厳密に三角形の平台だけに用いられるわけではなく、
四角形でも定形外の物は「あぶらげ」などと呼ぶことがあります。
やはりあくまで俗称なので、
きっちりとした言葉の定義があるわけではないという感じがします。


ちなみに、豆腐を油で揚げた食品の「あぶらげ」は、
形や大きさなどに、地域の特色が出る食品と言われています。
平台に「あぶらげ」というニックネームをつけたのは、
食品のあぶらげが、三角形の地域なのかもしれませんね。

また、この「油揚」という言葉自体も地域などによって読み方に差があるようで、
「あぶらげ」「あぶらあげ」両方が使われています。
本来の日本語として正しいのは「あぶらあげ(油揚げ)」の方で、
「あぶらげ」は、これが短縮されて出来た言葉のようです。

しかし「揚げる」からには「油」で揚げるのは当然で、
豆腐を揚げたものを、なぜ「油揚げ」というのか不思議ですね。



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