暗転幕

「暗転幕」(あんてんまく)

舞台の上で、上がっている緞帳を見上げると、そのすぐ後ろ(舞台側)に
緞帳とほぼ同じ大きさの黒い幕が吊られています。
(劇場によって異なります)
この黒い大きな幕を「暗転幕」と呼びます。

暗転」とは、暗い中での転換(舞台装置の移動や俳優の移動)のことで
主に照明を落とした(暗くした)状態での作業ですが、
大きな転換作業ですと、ある程度の明かりが必要となります。
そこで用いられるのがこの「暗転幕」なのです。

客席からは真っ暗に見えて、舞台上の明かりを付けて転換したり、
また、暗転幕の前で芝居を続行させておいて、その間に転換作業をしたり。

順を追って基本的な使い方を見てみると・・・
1.まず、舞台全体が暗くなります
2.暗転幕を降ろします(暗いのでお客様には解りません)
3.舞台上だけ明かりを付けます(もちろんお客様には解りません)
4.転換作業をします
5.舞台上の明かりを消します(やっぱり真っ暗で解りません)
6.暗転幕を上げます
7.次の場面に移ります

ということで、明かりはもちろん、幕自体の存在もお客様に気が付かれづらい幕なのです。
現在は消防法で誘導灯などが明るい劇場もありますが、
それを隠すのも裏方の仕事です。
お客様の目を誤魔化し、芸術を完成させるための「技」ですね。

「暗転幕」奥付

  • Posted : 2008年5月26日 03:16
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