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舞台監督




映画で言う監督、テレビで言うディレクターは、舞台では「演出家」
舞台「監督」とは言っても、演出上トップの立場ではなく、
そのポジションや役割は外から把握しづらいですし、
実際、こうと定まったものでもないようです。

と言うのも元々、舞台監督というのは
明確に独立した存在として在ったわけではありませんでした。
スタッフの欄に舞台監督が表記されるようになったのも
近現代になってからのことですし、
以前は演出家が併せて担当する役割でもあったようです。

舞台監督として著名な水品春樹は、次のように定義しています。
「舞台監督とは演出者の単なる従属者ではなく、
あくまでも独自の権能をもつ協力者として演出者に代り、
全員の仕事の要となって、
全公演期間の舞台と舞台裏のいっさいを監督する人である。」
(平凡社刊「演劇百科大辞典」より)

具体的に言うと、照明・音響・演技・大道具・小道具・衣裳等々
公演に携わる全てを管理・指導する役目といったところでしょうか。
公演を行うにあたり、舞台に関するすべてのことを
準備段階から監督する立場、ということですね。

演出家が想像したものを創造する役割、と言っても良いかもしれません。
演出家が思い描き、
台詞は脚本、演技は俳優、そして舞台や装置のことは舞台監督、
と考えるとわかりやすいでしょうか。

しかし一般に舞台監督の役割は
舞台の総括的責任者というだけではなく、
出演者・裏方・表方の全てを管理・指導するという面もあります。
ですから、実務的な能力はもちろん、
人心統率力にも長けた人でないと務まらない重要な役割なのです。



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