茶番劇

「茶番劇」(ちゃばんげき)

「茶番劇」とは、本人は至って真面目でも、
傍からは見え透いた下手な芝居などを表しますよね。
では、こうした馬鹿げた振る舞いのことを、なぜ「茶番」というのでしょうか。

江戸時代、歌舞伎の世界では、
お茶やお菓子を配る役目をする、地位の低い役者のことを、
「お茶当番」略して「茶番」と呼んでいました。
その茶番が、身振りで滑稽なことを演じながらお茶などを配ったり、
打ち上げなどの余興で、下手な物真似芝居をしたりしたことから、
茶番が行う稚拙な笑える芝居ということで、
「茶番狂言」と言われるようになったそうです。

この茶番狂言は、江戸時代の末期頃には大流行し、
衣装を身につけ、所作台詞も入れる本格的な「立茶番」と、
座って主に話術でオチをつける「口上茶番」という2つの種類も生まれています。
現在は「茶番狂言」という表現はあまり用いられませんが、
ここから、こうした即興の芝居(寸劇)のことを「茶番」(茶番狂言)と言うようになりました。
また、茶番が行う下手な芝居(劇)ということから、
見え透いた下手な芝居のことを「茶番」(茶番劇)と言うようになったのです。

「茶番劇」奥付

  • Posted : 2009年1月22日 19:22
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