「蓄光テープ」(ちっこうテープ)
お芝居をスムーズに進めるために、
舞台上には様々なきっかけや目印が置かれています。
当然、お客様が解らないよう、気にならないように、工夫が凝らされているのですが、
その中でも暗転時に大活躍するのが、この「蓄光テープ」です。
市販されていますのでご存じの方も多いと思いますが、
文字通り「光を蓄える」テープのことで、夜光塗料と同じように、
テープに貼られた蓄光材が明転中(芝居中)の光を吸収していて、
暗転になった時に光るというものです。
蓄光テープは、暗転中の出ハケに非常に役立ちます。
つまり、暗い中で俳優の立ち位置をわかるようにしたり、
裏方が道具を移動したりするために貼られているわけです。
芝居中の一瞬の暗闇で、多くの人が物にぶつからずに移動できる理由が、
このテープにあるのですね。
観劇中に暗転した時、舞台の少し上の方を見つめて闇に目を慣らし、
そのまま視線を動かさずに意識を舞台の方へ向けると、
蓄光テープの微かな明かりの中で、
人や道具が蠢く様子がうっすらと見えると思います。
暗転中の舞台上に興味のある人は試してみてくださいね。