駄目出し

「駄目出し」(ダメ出し)

ダメ出しとは、芝居の世界で、主に演出家が俳優・スタッフに対し、
修正や訂正を促すために行う、要請や注意のことです。
漢字では「駄目出し」と書きますが、
カタカナを使って「ダメ出し」という方が一般的かもしれませんね。

「ダメ出し」は、より良い舞台や作品を創っていくために、
文字通り「ダメ」な点を「出し」ていく作業なので、
必ずしも演出家からの指示など、トップダウンだけを指すわけではありません。
俳優同士やスタッフ同士もダメ出しを行いますし、
観劇したお客様からダメ出しを頂くこともあります。

ところで、一般に良くないことや効果がないことなどを「ダメ」と言いますが、
この「ダメ」は、囲碁の世界からきた言葉だと言われています。
囲碁の「駄目」とは、
白黒双方の境にあって、どちらの地所にもならない所を指す言葉です。
その「駄目」に石を置いても自分の陣地とはならず、無駄になってしまいます。
囲碁に詳しい方はおわかりと思いますが、
この「駄目」を上手に使い、勝負を決めていくわけです。

他に、例えば「駄目押し」という言葉も、
この「駄目」に石を置いて、確実に一手詰めておくことを意味します。
これが、「念を押す」という感じの意味合いで、
広く一般に使われるようになったのでしょうね。

つまり「ダメ」の「ダ」は、「無駄」などのように「価値の低いもの」を表す「駄」で、
「メ」は、碁盤の枡目を表す「目」というわけですね。

「駄目出し」奥付

  • Posted : 2008年12月31日 17:09
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