「ガチ」(がち)
「ガチ袋」(がちぶくろ)
「ガチ」とは、コの字型をした鎹(かすがい)のことで、
平台同士などをはじめ、舞台装置の様々な場所を固定するために用いられています。
ガチを挿す溝を掘っておけば、挿すだけで簡単に道具を固定でき、
また抜くだけで簡単にバラせるという、舞台では非常に重宝する物です。
また、「ガチ」を「つかみ」と呼ぶ地域もあります。
そして、舞台の裏方・大道具さんが、
釘やなぐりなどを入れるために腰にぶら下げている道具袋のことを「ガチ袋」と言います。
頻繁に使用する「ガチ」を大道具さんが腰から下げている袋に入れていたので、
「ガチ袋」と呼ぶようになったのでしょうね。
最近、美容師さんがハサミやクシをさして腰に下げているシザーケースを
一般の人もバッグとして使っていますが、
このシザーケースと同じような形で、もう二回りくらい大きなサイズの物がガチ袋です。
ただし、一般の金物屋さんに買い物に行き、
「ガチ袋ください」と言っても通じないと思いますのでご注意を。
通常は、「(工具差付)釘袋」という商品名で販売されていることが多いようです。
夫婦の絆を繋ぎとめる諺(ことわざ)として「子は鎹」
逆に、何の意味も手応えもない事を表す「豆腐に鎹」という諺がありますね。
この「鎹」は「ガチ」のことで、両者を繋ぎ止める物の例えとして使われているのです。