はける

「はける」

「はける」とは、舞台上から登場人物(俳優)や道具類が袖に消えることです。
逆に舞台に登場することは「出る」と言い、合わせて「出ハケ」と言います。

俳優が演出家に「そこで上手にはけて」と言われたら、
上手から袖に退出して、と言われたことになり、
裏方が「その机、転換の間にはけておいて」と言われたら、
転換の際に机を片付けて、と言われたことになるわけです。

この「はける」を漢字で書くと「捌ける」。
とどこおりなく流れる意味で
「水捌け(みずはけ)が良い」などという感じで使われますね。
また、お店で商品が売れたという意味で
「仕入れた商品が捌けた(はけた)」などとも言います。
この「捌ける」は「さばく」とも読むため、
「商品を売り捌く(さばく)」などという使い方もされていますが、
どれも同じようなニュアンスなのがわかっていただけるでしょうか。

また、舞台から道具を片付けることは「わらう」とも言います。
「わらう」も「はける」とほとんど同じ意味合いで用いられる言葉ですが、
「わらう」は道具を対象にしたもので、俳優に対しては使われません。
基本的に「笑う」のは人の仕草で、「捌く」のは物が対象ですが、
舞台用語としては逆に使われており、なかなか興味深いところです。

「はける」奥付

  • Posted : 2009年7月11日 02:26
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