ホリゾント幕・大黒幕

「ホリゾント幕」(ほりぞんとまく)
「大黒幕」(おおぐろまく)

照明をあてることで、背景として使われる白色の大きな幕のことを
「ホリゾント幕」(Horizont)と言います。
劇場によっては舞台の中程に「中ホリゾント幕」があることもありますが
主に舞台の一番奥にあり、
上下にあるホリゾントライトにより、様々な背景として演出されます。

ホリゾントライトは、
上部にあるのをアッパーホリゾントライト(Upper Horizon Light)、
下部にあるのをロアーホリゾントライト(Lower Horizon Light)といい、
それぞれ通称でアッパー・ローホリと呼ばれています。

このホリゾントライトの使い方が照明家にとって腕の見せ所で、
地平線を表現したり、空や雲などで季節や時間をお客様に感じさせたり、
また幾何学的な模様で劇中の不条理さを表現したりと、
演出上の重要なポイントとなります。

そしてこのホリゾント幕を隠す、黒い大きな幕を「大黒幕」、
通称「おおぐろ」と呼びます。
歌舞伎の世界では、夜の屋外や無という意味がある幕で、
ホリゾント幕とセットで、ほとんどの劇場に設置されています。

明るい昼間の場面から、真っ暗な夜の場面へ。
照明の効果だけではなく、こういった幕の効果も最大限利用しながら、
演劇は表現されているのですね。

「ホリゾント幕・大黒幕」奥付

  • Posted : 2008年5月31日 13:29
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