時代・時代物・時代劇

「時代」(じだい)
「時代物」(じだいもの)
「時代劇」(じだいげき)

歌舞伎などで江戸時代当時を描いた現代劇を「世話物」と言いますが、
この「世話物」の対義語として、歌舞伎や浄瑠璃において
江戸時代より前の時代を題材にした物語を「時代物」言います。

「時代物」は、江戸の庶民から見て前の時代のことである
公家や武士、日本史上の人物や伝承などを題材にしたものを指します。
現在では、歌舞伎に限らず、演劇や映画でも「時代物」や「時代劇」という言葉を使いますが、
この2つは用途が若干違い、「時代物」の対義語は「世話物」、
「時代劇」の対義語は「現代劇」となります。
言葉本来の意味では、「時代劇」は江戸時代を題材にしたものも含み、
「時代物」と言う場合は、戦国時代以前の物語ということになります。

また江戸時代は、当時の官である武家社会を劇化するのは御法度だったため、
当時に起こった事件を時代物にすり替え、法の目をかいくぐっていました。
「仮名手本忠臣蔵」で大石内蔵助が大星由良之助という役名で、
室町時代が舞台の時代物になっているのも、こういう理由によるのですね。

「時代・時代物・時代劇」奥付

  • Posted : 2008年5月25日 16:20
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