定式幕

「定式幕」(じょうしきまく)

歌舞伎やその劇場でお馴染みの三色の幕。
永谷園のお茶漬け袋が模しているので有名ですね。

これは、歌舞伎特有の三色の縦縞の引き幕のことで、
三色は「黒色」「柿色」「萌葱色」が「定式」となっています。

この三色の由来は、
中国の五方五色(赤白黄青黒)という観念に基づき、
そのうちの三色を用いた「神宿る」的な意味あいと言われています。
が、江戸時代には江戸三座で三色や色の並びが異なったそうですし、
厳密な決まり事ではなかったようです。
あくまで「常識」ではなく「定式」だったわけですね。

さて、その江戸時代
歌舞伎の興行にはお上(幕府)の許可が必要でした。
そしてその「許可」が降りた公演にだけ許されていたのが「定式幕」で、
「認可済み」という意味あいも持っていたようです。

また、現在では「黒・柿・萌葱」の三色が一般的ですが、
劇場によって並び順が違っています。
国立劇場は「萌葱・柿・黒」の順。
歌舞伎座は「黒・柿・萌葱」の順。
劇場に行かれた際に確認してみるのも面白いかもしれませんね。

ちなみに、この「定式幕」がない興行
(つまりお上の許可がない興行)にて用いられる幕を「緞帳」と呼び、
その芝居を「緞帳芝居」、出演者を「緞帳役者」という言い方で、
格下的に呼んでいた時代もあります。

現在、そのような差別はありませんが、
お芝居は、定式幕でも緞帳でも、幕が閉じたら「お芝居(おしまい)」
つまらない駄洒落で終わります・・・

「定式幕」奥付

  • Posted : 2008年5月25日 16:06
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