影絵芝居

「影絵芝居」(かげえしばい)

手指でキツネやカニを作り、壁に映して遊ぶ「手影絵(影人形)」は
誰もが一度は遊んだことがあるのではないでしょうか。
このように、演じるものに光を当て、
壁やスクリーンに映したり、障子などを透過させて演じる芝居を
「影絵芝居」または「影絵劇」と言います。

光と影を使って行うお芝居には、人が体全体で演じる影芝居もありますが、
世界中で演じられているものの多くは、
手指など体の一部だけを使ったり、影人形、切り抜き絵、指人形など道具を用いるものがほとんどです。
ですから影絵芝居は人形劇であることが多いですし、
また、通常の演劇とは違って映画のようにスクリーンで鑑賞することが多いため、
演劇のジャンルの中でも非常に特殊なものと言えます。

影絵芝居は、世界中の様々な国や地域ごとに発展しており、
インドネシアの「ワヤン・クリ」、中国の「皮影戯」などは有名です。
日本でも、はるか昔から影絵の文化はあったそうですが、
残念ながら人形浄瑠璃(文楽)のように広く一般的になったものはない感じですね。

しかし、幻灯を使って映像を動かす「写絵(うつしえ)」が寄席や縁日で上演され、
現在でもこの手法による影絵人形劇が生き続けていますし、
お盆には、影絵が使われた回り灯籠(走馬燈)も定番ですよね。
影絵は、世界に誇る日本の文化となったアニメーションにも通じますし、
日本人の芸術心を影ながら支えているものなのかもしれませんね。

「影絵芝居」奥付

  • Posted : 2009年9月17日 02:32
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