介錯

「介錯」(かいしゃく)

付き添って世話をすることや、
切腹の際に首を切って助けることを「介錯」と言いますよね。
演劇の世界では、手伝いや手助けをすること、また世話をしたりすることを、
広く「介錯する」と言います。

例えば、人の力で引き幕を開閉するとき、
舞台上に役者がいたり、セットがあったりすると、
1人では上手くできない場合があります。
このような時「数人が介錯して幕を引く」というような感じで使います。
「手伝う」「世話をする」に置き換えて考えるとわかりやすいでしょうか。
他にも「舞台にいる黒子は俳優や演出の介錯をしている」というように、
様々な使い方が考えられますね。

また、人形浄瑠璃・文楽では、
小道具の受け渡しなどの雑用をすることを「介錯」というだけでなく、
その人(役割)のことも「介錯」と呼びます。
切腹のときに介錯をする人は「介錯人」と言いますので、
ちょっと注意が必要ですね。
文楽の介錯は、勉強中の若い人形遣いが担当することが多く、
舞台上で使う小道具を渡したり、不要になった物を片付けたりしています。

また同じ意味で、舞台装置の介錯をする棒のことを「介錯棒」と呼ぶのですが
こちらは別欄でお伝えしますね。

「介錯」奥付

  • Posted : 2008年6月 1日 18:45
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