外連

「外連」(けれん・ケレン)

歌舞伎や浄瑠璃で、見た目の奇抜さを狙った派手な演出を指す言葉です。
そのままの意で現代劇でも用いられますし、
誤魔化したりはったりをかます意味で、一般にも使われていますね。

外連と呼ばれる演出には、仰々しい仕掛け物や宙づり、早替わりなど、
公演の目玉になるようなものはもちろん、
廻り舞台や迫りなど、舞台仕掛けの物も含まれます。

「外連」は元々、歌舞伎などにおいて邪道な演出であると、
否定的な意味で用いられていました。
ですから、近年多くの場合で使われる「外連味のない〜」という
打ち消し語を付けた用法が、本来は良い意味を表すことになります。
例えば「外連味のない芝居だったが面白かった」と言えば
誤魔化しやはったり、派手な演出はなかったけれど面白かった、
というような意味になるわけですね。

しかし最近は、外連こそ歌舞伎の見所、という見方もあり、
一概に悪い意味でもなくなってきています。
一般に、面白みや華がないことを「外連味がない」という使い方もしますし、
見方や考え方によって、良くも悪くも受け止められる言葉という感じですね。

「外連」奥付

  • Posted : 2008年5月25日 15:49
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