「口説く」(くどく)
自分の意向を相手に承知してもらおうとして、
説いたり頼んだりすることを「口説く」と言いますよね。
商談や好きな人への告白など、様々な場面で使われるこの言葉は、
しつこい様を表す「くどくど」が短縮されて生まれたと言われていますが、
浄瑠璃(文楽)の世界から生まれたという説もあります。
浄瑠璃では、義太夫が物語を進行していきますが、
その中でも、心の内面を語る部分を「口説き」と言います。
「口説き」は、一般にも使われる恋愛の意味以外にも、
悲しみや哀愁、懐古、懺悔など、様々な心理描写を含みます。
この「口説き」のシーンをお客様に素直に納得させ、
感動してもらうことの難しさから「口説き落とす」という言い方が生まれ、
今日のように使われるようになった、という説なのです。
まさに、「口で説く(説明する)」ことの難しさを表している感じですね。