「リノテープ」(linoleum tape)
「リノテープ」とは、「リノリウム・テープ」を省略したものです。
リノリウムとは、硬いゴムのような感触と見た目の物で、
舞台面を覆う素材としても利用されています。
リノリウムはそれ自体に重量があるので、
舞台に敷くときも強力な粘着テープを必要としないのですが、
熱に弱いため、端がめくれ上がってきたりするのが難点といえます。
しかし演出上の理由で、そのまま舞台面として使われるケースが多く、
そのため上部(表面)からテープで固定して使用します。
この時に使うのが「リノテープ」です。
つまり「リノテープ」は、つや消しのビニールテープのことで、
リノリウムの色に影響を及ぼさない半透明のものがよく利用されます。
イメージ的には「ガムテープの厚さのセロハンテープ」といった感じで、
粘着力が弱いわりに手ではうまくちぎれませんので、
ビニテやガムテのように幅広く活躍することもありません。
けれどもリノリウムを貼るにはこのテープが一番!ということで、
「リノテープ」と呼ばれているのです。
リノテープは、照明の反射が少なく演出上の問題もありませんし、
「養生テープ」として使うこともできますが、若干用途が限られたテープです。
しかし劇場やセットを守るため、
舞台関係者には重宝されるテープでもあるのです。