仮面劇

「仮面劇」(かめんげき)

仮面劇とは、文字通り役者が仮面をつけて演じる演劇のことです。
仮面は英語で「mask(マスク)」ですが、
「仮面劇」の場合、16世紀頃からヨーロッパで全盛となった芝居に由来し「masque」とも表記します。
また、仮面舞踏会は「masquerade(マスカレード)」になります。

仮面劇は各国で様々な歴史を持っていますが、
その歴史を辿ると、宗教や神話と結びついた伝統的な民族行事にたどり着くことがほとんどです。
例えば、古くは古代ギリシア劇でも演劇に仮面が用いられていますが、
これもギリシア神話における神を演じるために仮面が使われたものです。
また、東南アジアなどの民族舞踊と言えば、
仮面を付けて舞い踊る姿を思い浮かべられるかと思いますが、
これらも神話や伝説、神事などに由来する祭事であることが多いようです。

日本においては、大陸から伝わった「伎楽」という仮面を使う無言野外劇や、
「散楽(猿楽)」などが元となり、やがて現在に至る「能楽」が誕生します。
歴史では、14世紀中頃に観阿弥・世阿弥が能を完成させたと教わりますし、
能面を使用する能が日本における仮面劇の元とも言われますが、
それ以前に日本にも面の優れた製作者がいたことが伝えられていますし、
文化や宗教の点から考えても、やはり仮面劇は太古から伝承されており、
それを観阿弥たちが能として大成させたと考える方が適当であるように思われます。

「仮面劇」奥付

  • Posted : 2010年5月20日 17:37
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