男役・娘役

「男役」(おとこやく)
「娘役」(むすめやく)

女性だけで構成されている宝塚歌劇団では、一般に男性が演じる役も女性が演じ、
男性の役を演じる人を「男役」(おとこやく)、
女性の役を演じる人を「娘役」(むすめやく)と呼びます。
一般に「俳優」「女優」というところを、歌劇団では「男役」「娘役」と言うわけです。

男役になるか娘役になるかは、ほとんどの場合、本人の意思が尊重されています。
男役になるための条件も特になく、
身長だけは一応164cm以上とボーダーラインが引かれてはいるものの、
身長は自己申告で少しぐらいの誤差は大丈夫ということですから、
やはり本人の希望が第一ということなのでしょうね。

男役になるか、娘役になるかは、タカラジェンヌの演技において最大のバックボーンとなりますから、
その振り分けは宝塚音楽学校の予科(一年目)のときに決定します。
しかしほとんどの生徒は、音楽学校を受験する時には、
どちらになりたいか既に決めているようです。

男役か娘役かが決まったら、それぞれの役にあわせた授業が始まります。
男役は低い声が、娘役は高い声が自然に出るようにするのはもちろん、
男役はショートカットに髪を切り、逆に娘役は髪を伸ばし、
また、ダンスや立ち振る舞いも変わってきますので、
歩き方ひとつから、それぞれの役になる準備を始めます。
こうして外見、所作、声に至るまで、それぞれの役になるための勉強をしていくのです。

また、男役になることを決めた後でも、
音楽学校時代や遅い場合には歌劇団に入団してから、娘役に転向する人もいます。
2006年時点の現役で例を挙げると、
雪組の純矢ちとせや、宙組の紫城るいなど。
今まで男役だった人が、可憐で女性らしい娘役になるのですから
その努力は大変なものだと思います。
転向の理由は様々なようですが、娘役から男役に変わる人はいないそうです。
女性が男性を演じるには10年しないと一人前にはなれないという意味の
「男役10年」という言葉があるくらいですので、転向は難しいのでしょうね。

「男役・娘役」奥付

  • Posted : 2009年7月 5日 20:07
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