のろま

「のろま」(野呂間・野呂松・鈍間)

動作や頭の回転が遅い人のことを「のろま」といいますよね。
この「のろま」という言葉は、人形浄瑠璃の世界から生まれたという説が有力です。

江戸時代の延宝年間の頃(1600年代後半頃)、
顔が浅黒く愚鈍な印象の道化の人形を遣い、
人形浄瑠璃の間狂言(あいきょうげん)を演じる
野呂松勘兵衛(のろまつ かんべい)という人がいました。

この野呂松の操る人形を「野呂間人形(のろま人形)」、
野呂間人形をあやつる人を「野呂間遣い(のろまづかい)」と呼ぶようになり、
やがて人形の持つイメージから
「のろま」という言葉が愚鈍な意味を持つようになっていきました。
「のろま」を漢字で「野呂間」「野呂松」書くのは、こんな理由があるからなのです。

また、「のろま」は漢字で「鈍間」と表記することもありますよね。
そのため、「鈍く(のろく)間ぬけ」(もしくは「間が鈍い」)という
読んで字の如くが語源という説もあります。

なお、野呂間人形はその後姿を消していってしまいますが、
1700年代になると佐渡に伝播し、
現在でも時折公演が行われているということです。

「のろま」奥付

  • Posted : 2009年6月30日 01:34
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