お家芸

「お家芸」(おいえげい)

その家で古くから伝承された芸、
または個人が得意とする芸、と二つの意味で使われるこの言葉。
古典芸能である歌舞伎・能・狂言の世界から生まれた言葉です。
例えば歌舞伎の「勧進帳」は成田屋(市川家)のお家芸と言われていますね。

現在は、書物や写真、映像などで芸を学ぶことも可能ですが、
昔は当然ながらカメラもビデオもありませんので、
口伝や直接指導によってのみ、芸が引き継がれていました。
江戸以前の時代は芸人の地位が低く、
読み書きがままならなかったという事情もあると思いますが、
外部に芸を盗まれる危険性を抑える役割もありそうですね。

このように、芸能一家に伝わる芸という意味で生まれたこの言葉ですが、
現在では「柔道は日本のお家芸」などと、お家の範囲が国にまで広がったり、
逆に代々伝わった芸でなくとも「この芸はあの人のお家芸だ」と
個人芸に用いたりするようになっています。
どんなジャンルでも同じだと思いますけれど、親の技を子供が引き継ぐという
文化が希薄になってしまったからかもしれませんが、
「他の人には簡単に真似が出来ない」という意味では変わっていませんね。

しかし、伝承されたものでない個人の得意芸を表す場合、
やはり歌舞伎が語源の「十八番」という言葉もありますので、
「お家芸」というよりは、こちらを用いた方が適切なように思えます。

「お家芸」奥付

  • Posted : 2008年5月26日 02:08
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