テキストレジ

「テキストレジ」「テキレジ」

「テキスト」は脚本(戯曲)のことで、
脚本家が書いた本を、実際に上演できるように訂正や手直しすることを
「テキストレジ」または略して「テキレジ」と言います。

意味としては「脚色」と似た感じですが、
「テキレジ」は、劇場や上演時間、予算や出演者など、
主に上演の際の様々な条件に合わせ、脚本を変更することを指します。
予め脚本家が上演に合わせてテキレジする場合もありますが、
「本読み」→「荒立ち」→「立ち稽古」と、芝居の稽古が進んでいく中で、
演出家が手直しを入れていくことを指す場合が多いようです。

「レジ」の方の語源は、要約という意味の英語「resume(レジュメ)」、
抵抗という意味の英語・フランス語「resistance(レジスタンス)」、
演出という意味のドイツ語「regie(レジ)」など、諸説あるようです。
いずれにせよ、脚本を変更することを表していますが、
多くの舞台・演劇用語が芸能や映像の世界でも共通なのに対し、
「テキレジ」は演劇界だけでしか用いられていない言葉で、
例えば映画の脚本を直すときに、テキレジとは言わないようなのでご注意を。

また、脚本は当然脚本家に著作権があります。
上演の際は許諾が必要なのはもちろん、演出家などの意向で脚本を変えたり
カットしたり、つまり勝手に「テキレジ」してしまったことで、
残念ながら数多くのトラブルが起こっています。
既存の脚本を上演するときは、上演の条件をきちんと把握し、
「このような感じでテキレジしたいのですが」という部分についても
あらかじめ脚本家の許諾を得ておくのがベストではないかと思います。

「テキストレジ」奥付

  • Posted : 2008年5月29日 19:17
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