座頭・座長

「座頭」(ざがしら)
「座長」(ざちょう)

「座」という言葉は、一つの目的のために集まった席という意味で使われ、
例えば江戸時代には、幕府がお金を作らせていたところを
「金座・銀座」と呼んでいました。
歌舞伎などにおいては、一座の構成員を「座組(ざぐみ)」と言い、
座組の主席役者を「座頭」と呼びます。

座頭は、演目の選定から役者の統率まで一切を取り仕切り、
またその責任を負いました。
座頭は、看板や番付で必ず連名の一番最後に名前が書かれる「留筆」で、
留筆はすなわち座頭ということになります。

江戸時代、歌舞伎俳優はたいてい1年契約で芝居小屋に出演していたため、
1年間は同じ座組で公演が行われていました。
しかし時代の移り変わりと共に、興行ごとに座組が変わるようになり、
また演出や脚本などの仕事分担もはっきりしてきたため、
座頭の権限は小さくなり、その制度も減少してきました。

現在も「座頭」という言葉は使われていますが、
一般の演劇では代わりに「座長」と言われることが多くなっています。
今では「座頭・座長」共に「一座の長」といった意味で使われており、
芝居のジャンルによって言葉が使い分けられているような感じですね。

「座頭・座長」奥付

  • Posted : 2008年5月25日 00:53
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