2009年1月 7日

vol.333 | 新聞社の危機と演劇・映画

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

         お芝居めるまが「シアターリーグ」 

Vol.333                 http://www.moon-light.ne.jp/
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

あけましておめでとうございます。
皆様にとって素敵な一年でありますように・・・
そして、今年もシアターリーグをよろしくお願い致します。

さて、1997年の今日は、このメルマガも発行させていただいている
メールマガジン発行スタンド「まぐまぐ」が始まった日です。
今やすっかり生活の一部になった感のあるインターネットやメルマガも、
多くはまだ10年ちょっとしか経っていないものなのですね。


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
              演劇ニュース
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

キサラギ
2007年に映画にもなった「キサラギ」が舞台化

涼風真世ブログ
世間で話題になっているようです

アングラ演劇傑作ポスター展
渋谷パルコで

第50回毎日芸術賞・2008年度朝日賞
千田是也賞は森新太郎

沢竜二が失業者雇用
失業した非正規社員を劇団で受け入れ

新聞の2008年演劇回顧
読売・朝日・産経・毎日・日経

演劇チケット発売情報


◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆
             今週の舞台・演劇用語
◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆

「客いじり」(きゃくいじり)

通常、舞台公演では演じる側と観る側が存在するわけですが、
演じる側が観る側に何らかのアプローチをする、
つまり演者がお客様を巻き込む手法を「客いじり」と言います。

「客いじり」は、お笑い芸人の手法で有名になっていますが、
演劇の世界でも、お客様を巻き込むという同じ意味合いで使われます。
例えば、出演者が客席に入って行く作品は割と多いですし、
中にはお客様を舞台に誘導してしまう作品もありますよね。

一般のお芝居では、客席と舞台上はまったくの異空間として扱われ、
舞台の上では非日常・日現実的な世界が繰り広げられます。
しかし、出演者が客いじりをすることで、
普段は現実世界から観るだけの存在であるお客様を、
芝居の中の世界に誘うという効果を狙っているわけです。

また逆に、芝居の世界の外から解説役などを務める狂言回しが、
現実世界に居るお客様の中に入ってきて、
芝居の傍観者としてお客様と視点を共有するという方法もあります。
これは、舞台上で演じられているものが芝居であることを意識させる
メタフィクションの手法で、劇中劇のある作品などで多くなっています。

このように、演劇における客いじりは、
単にお客様の気分や雰囲気を盛り上げるといった意味だけではなく、
演出や作品において大きな意味を持っていることがほとんどです。
いずれにせよ、客いじりはライブである舞台公演ならではのものですし、
客いじりが行われる作品に出会ったら、なぜそれが行われたのか?という
視点で考えてみると、作品の意図がより理解できるかもしれませんよ。

───────────────────────────────────
■取り上げて欲しい「演劇用語」募集中!


●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
あとがき

あけましておめでとうございます。
好き勝手なことを書き散らす「あとがき」ですが、
今年もどうぞよろしくお願いします。

さて、昨年末から世の中不景気で暗いニュースばかりでしたが、
年末に発表された朝日・産経・毎日の各新聞社、半期の連結決算も
全社が大幅な赤字となっていました。
数年前から、ラジオ・テレビなどを含めた既存のマスコミは、
ネットの普及などによって今後が心配されていましたが、
現在の不況によって一気に表面化してしまった感じですね。

マスコミ衰退の原因はいろいろあると思いますが、
最大の要因は、ネットなど電子化への対応が進まないからと言われます。
著作権など法律的な問題があるとはいえ、
テレビ・ラジオのネット再配信はユーザーの要望とはかけ離れていますし、
新聞社では、唯一産経新聞が紙面の電子化や、
サイト「iza」で読者との双方向性を実現しているものの、
他紙は旧態依然とした一方的な情報の押し付けばかり。
マスコミは、大衆への情報操作を意図するかのような姿勢が変わらない限り、
滅亡していくのは最早避けられないことなのかもしれませんね。

しかし演劇や映画の業界も、現在はマスコミ各社が牛耳っています。
最近、邦画が絶好調ですが、その多くはテレビ局が製作した作品で、
自局を中心にグループ各社を利用してヒットを生み出しています。
舞台も、大規模な商業演劇はマスコミが主催・協賛していることが多く、
これらの企業が撤退していくようなことがあると、
演劇界・映画界は、かなり大きなダメージを受けてしまうことでしょう。
今年は、政治や経済の分野でも、変革が求められる情勢かもしれませんが、
演劇をはじめとした芸術文化の分野でも、
今年は様々な所で、存在や体制に変化が生じる年になるのかもしれませんね。

                               kantaro
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■発行 : 有限会社moon-light

芝居・演劇・俳優「シアターリーグ」
メルマガへの広告掲載
ご意見・ご感想などお待ちしております
メルマガ登録・解除
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「vol.333 | 新聞社の危機と演劇・映画」奥付

  • Posted : 2009年1月 7日 15:00
  • Prev : « vol.332 | マクドナルドのサクラ商法
  • Next : vol.334 | 文学座の分裂 »
  • Home : お芝居めるまが「シアターリーグ」 | シアターリーグ