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2008年12月31日

■新聞の2008年演劇回顧

2008年演劇界を振り返る、新聞の全国紙・5紙の記事です。

読売新聞

12月17日に、【回顧2008演劇】「国際」上演 実結ぶ という見出しで掲載。
「海外との共同制作が盛んに行われ、充実した成果を残した。」と記し、
「ボーダーレス」の小見出しで、
サイモン・マクバーニーの「春琴」、日韓の俳優が共演した「焼肉ドラゴン」、
野田秀樹ロンドン公演「The Diver」、デヴィッド・ルヴォー「人形の家」、
ロバート・アラン・アッカーマン「バーム・イン・ギリヤド」「1945」を挙げています。

次に「若手とベテラン」の小見出しで、主に台頭著しい若手劇作家に触れています。
岡田利規「フリータイム」「友達」、本谷有希子「幸せ最高ありがとうマジで!」、
長塚圭史「sisters」、新国立劇場「シリーズ・同時代」など。
ベテランでは、蜷川幸雄「道元の冒険」「表裏源内蛙合戦」「ガラスの仮面」、
脳梗塞で舞台を遠ざかっていた江守徹が「サンシャイン・ボーイズ」で復帰したこと、
吉行和子が「アプサンス」を最後に舞台から引退することなどを挙げています。

ミュージカルでは、まず劇団四季創立55周年に触れ、
「ソング&ダンス 55ステップス」の上演、「キャッツ」25周年&通算7000回、
ライオンキング」6000回、東宝の「ミス・サイゴン」1000回など
メモリアルが多かったことを挙げています。
その他、宮本亜門「トゥーランドット」、「シカゴ」の米倉涼子、
宝塚では「愛と死のアラビア」「スカーレット・ピンパーネル」などが挙げられています。

劇場では、新国立劇場の芸術監督問題に冒頭で触れ、
赤坂ACTシアターの開館、TBSが劇場運営にも乗り出すなど、
テレビ局の舞台制作がさらに活発化したことを挙げています。
また、シアターアプルシアタートップスベニサン・ピットの名を挙げ、
閉館が相次いだ小劇場にも簡単に触れています。
最後に物故者として、関弘子、水原英子、深浦加奈子、松下砂稚子の名を挙げています。


朝日新聞

12月10日に、【回顧2008演劇】今年の演劇を振り返る という見出しで掲載。
冒頭で新作・再演合わせて10本、井上ひさしの初期戯曲を集中的に上演した
蜷川幸雄を取り上げています。

「娯楽重視への批判」の小見出しでは、
引き続き蜷川幸雄と共に、ケラリーノ・サンドロヴィッチ「シャープさんフラットさん」、
松尾スズキ「女教師は二度抱かれた」、平田オリザ「眠れない夜なんてない」
坂手洋二「戦争と市民」、長塚圭史「sisters」、
三浦大輔「顔よ」、本谷有希子「幸せ最高ありがとうマジで!」などを挙げています。
また、野田秀樹が東京芸術劇場の初代芸術監督に就任したことと、
新国立劇場の芸術監督問題にも触れています。

また「緊張感呼ぶ創作環境」の小見出しで、国際共同制作に収穫が多かったことをピックアップ。
読売と同じく「焼肉ドラゴン」「The Diver」「春琴」「人形の家」辺りを挙げているのに加え、
坂東玉三郎が中国の昆劇に挑戦したこと、
松本幸四郎「勧進帳」1000回とミュージカル「ラ・マンチャの男」1100回を取り上げています。

そして「劇場地図にも変化」の小見出しで、
新宿コマ劇場年内閉館歌舞伎座建て替え、シアタートップスとベニサン・ピットの閉館を掲載。
最後に、琵琶湖上に560席の仮設劇場を造った維新派「呼吸機械」を取り上げています。


毎日新聞

12月9日に、【古典・商業演劇:この1年】歌舞伎公演増え、俳優も活躍 という見出しで掲載。
冒頭で商業演劇の劇場絡みの話題に触れ、
新宿コマ劇場閉館、歌舞伎座建て替えについて詳しく記しています。
続いて見出しにもなっている歌舞伎について触れ、
坂田藤十郎「京鹿子娘道成寺」、中村芝翫「藤娘」などベテランの健在を記し、
印象に残る舞台として「小町村芝居正月」「白浪五人男」「新薄雪物語」「高野聖」
「盛綱陣屋」「河内山」「魚屋宗五郎」「十種香」「仮名手本忠臣蔵」を挙げています。

続いて「新派は「婦系図」で実力を発揮」の小見出しで、
新派120年「婦系図」「鹿鳴館」を掲載。
東宝系はミュージカル路線が続くとし、
シアタークリエで3カ月間上演された「放浪記」が例外的だったと記しています。
好舞台として挙げているのは、ジョン・ケアード演出「私生活」。

最後に「大夫の陣容が薄くなり不安も」との小見出しで、文楽について記述。
吉田清之助が五世豊松清十郎を襲名し、「本朝廿四孝」の八重垣姫などで披露したことを記した後、
吉田文吾や大夫の竹本伊達大夫が他界、豊竹十九大夫が文楽界を去るなど、
大夫の陣容が薄くなったのが今後の不安材料として残る、としています。
そして最後に突然、宝塚歌劇星組の「スカーレット ピンパーネル」が好舞台だったと記して結んでいます。


日本経済新聞

東京版と関西版で【回顧2008】を掲載。
東京版では、読売・朝日と同様に共同作業から優れた作品が生まれたとし、
特に「春琴」を絶賛、他に「焼肉ドラゴン」「The Diver」を挙げています。
他に、新国立劇場「シリーズ・同時代」、
本谷有希子「幸せ最高ありがとうマジで!」の永作博美の演技、
演劇企画集団THE・ガジラ「ゆらゆら」などを評価しています。

関西版では、維新派の野外劇「呼吸機械」を第一の収穫として真っ先に取り上げた他、
同じく野外劇の犯罪友の会「ゆうひかげ」、室内劇では劇団太陽族の「往くも還るも」を挙げ、
時代の波に翻弄される庶民の悲哀を描いた3作と共感を示しています。
他に、遊劇体「山吹」、南河内万歳一座「ジャングル」、桃園会「お顔」、
演出家としてニットキャップシアターのごまのはえ、下鴨車窓の田辺剛を挙げています。
また、精華小劇場の存続について触れる一方、ピッコロシアターとアイホールを高評価。
上方歌舞伎では片岡愛之助と坂東薪車、
文楽の豊松清十郎が5世を襲名、11月の襲名披露公演「本朝廿四孝」を挙げています。


産経新聞

関西版で【回顧2008】歌劇&ミュージカル を掲載。
宝塚歌劇星組「スカーレット・ピンパーネル」を、
宝塚に新たな代表作が生まれたと冒頭で取り上げ、
安蘭けい遠野あすかのトップコンビの退団は残念なものの、
柚希礼音がブレイクしたと記しています。
また「ベルサイユのばら」外伝の雪、花、星組全国ツアー公演などを挙げています。

OSK日本歌劇団では、桜花昇ぼるがトップ就任。
劇団四季は創立55周年
「オペラ座の怪人」20周年「ウエストサイド物語」1000回などを掲載、
四季の入場料金値下げを取り上げています。
また「ファントム」「プロデューサーズ」「シカゴ」「アプローズ」などを挙げ、
「演劇界はいまやすっかりミュージカルが主流」と結んでいます。

演劇賞

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「新聞の2008年演劇回顧」奥付

  • Posted : 2008年12月31日 15:49
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