2010年7月14日

vol.412 | 「Additional Time」はなぜ「ロスタイム」?

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Vol.412                 http://www.moon-light.ne.jp/
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1967年の今日は、「世界知的所有権機関を設立する条約」が、
ストックホルムで調印された日です。

世界知的所有権機関(WIPO)は、
知的財産権の世界的な保護の促進を目的とする国連の専門機関。
世界的な著作物の保護条約と言えばベルヌ条約が有名ですが、
WIPO著作権条約では、さらに一歩踏み込み、ネットなどにも対応した
著作権や著作隣接権の国際的な保護条約となっています。


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「見得」(みえ)

歌舞伎の見どころの1つに、役者が一瞬動きを静止し、
首を振ったりした後に、寄り目で睨むようなポーズを取る
「見得を切る」場面がありますよね。

日本語としての「見得」は、「見える」の連用形で、
「見栄を張る」などの「みえ」と同じような意味合いです。
英語では、辞書をひくと「striking pose」になっていますが、
KABUKIの「Mie」として、そのまま紹介されることも多くなっています。

見得は、江戸の荒事から生まれた歌舞伎独特の演技・演出法で、
多くの場合「ツケ」を打ち、太鼓などの鳴り物を加えて強調します。
その所作を見ると、仁王像などの仏像の影響が強いと考えられており、
一説には市川團十郎が不動明王を模した見得が元とも言われます。

この不動明王の見得は「不動の見得」と名称が付けられており、
他にも見得の形や役の性格などによって「石投げの見得」「元禄見得」
「天地の見得」など、名称が付けられた様々な見得があります。

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あとがき

W杯も終わってしまいましたけれど、サッカーを見ていると、
90分過ぎに追加時間を意味する「Additional Time」が表示されますが、
これを「ロスタイム」と言い換えることに非常に違和感を憶えます。
英語では、怪我の時間という意味の「Injury Time」という表現もありますが、
なんでわざわざ和製英語に置き換えるんでしょうね。

不思議に思ったので調べてみると、Jリーグの用語解説に
「インジュリータイムという言葉は使わず、ロスタイムという言葉を使う」
と明記してありました。
う〜ん、マスコミなどが無責任に造った言葉ではないということでしょうか?
しかし「インジュリー」という単語は難しいと判断したのだとしても、
「加える=add」というのは割と良く知られた英単語だと思うのですが、
なぜこんな和製英語が生まれ、また普及させたのでしょうね。

サッカーでは「ロスタイム」以外にも「PK」などが和製英語ですし、
野球に至っては「デッドボール」「キャッチボール」「ゲームセット」
「タッチアウト」「インコース」など英語より和製英語の方が多いほど。

しかし例えば、野球では地面を転がるボールを「ゴロ」と言いますが、
英語では「ground ball」や「grounder」。
一見馴染みがない感じもしますが、サッカーでは「ゴロ」とは言わず
「グラウンダー」と言っているわけですから、
こうした言葉は気をつければすぐに改められそうですよね。

言葉が生まれたのには、それなりの歴史や経緯があるのでしょうから、
一概に和製英語のすべてが悪いとは言い切れないのかもしれませんが、
スポーツや文化で国際化を謳い、例えば野球で言えば
ストライクよりボールを先にコールする、なんて努力をするのであれば、
こうした言葉の面でも対処すれば良いんじゃないかな、という気がします。
そもそも、和製英語をすべて止め、正しい英語を覚えるだけで、
日本人の英語のボキャブラリーも非常に豊富になりそうですよね。

                               kantaro
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■発行 : 有限会社moon-light

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「vol.412 | 「Additional Time」はなぜ「ロスタイム」?」奥付

  • Posted : 2010年7月14日 15:09
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