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2007年3月27日

■パリ オペラ座松竹大歌舞伎

歌舞伎のオペラ座公演が、23日より行われています。

これまでマスコミ報道も少なかった歌舞伎パリ公演のニュースですが、
初日が行われたあとは、一般の新聞などでも大きく取り上げられていましたね。
制作発表時の記事にない、新たに伝えられた情報をまとめておきます。

今回の公演は、3/23・25・27・29・30日の計5回。
報道に拠ると、チケットは前売り開始後すぐに完売してしまったそうで、
初日の観客は、7〜8割が現地のフランス人だったようです。

歌舞伎のパリ公演は、1967年以来7度目で、
前回は、3年前にパリ・シャイヨー宮で行われた十一代目市川海老蔵襲名披露公演。
歌舞伎の海外公演自体は、近年わりと頻繁に行われていますが、
ミュージカル「オペラ座の怪人」の舞台にもなり、
フランスを代表する劇場の「オペラ座」で歌舞伎が上演されるというのは意義深いものがあるように思います。

オペラ座で歌舞伎を上演するにあたって、問題になりそうなのが、歌舞伎の劇場・舞台との造りの違い。
まず、一般に上下(横幅)に広く、高さが低い歌舞伎の舞台とのギャップを埋めるために、舞台はオーケストラ・ピットの上に作成。
そして、歌舞伎の公演に欠かせない花道は、オペラ座の構造上造るのが無理ということで、
退場時などは、客席に降りて通路を使う演出に変更して上演しているそうです。
ちなみに、昨年行われたロンドン(サドラーズ・ウェルズ劇場)公演では、日本同様、花道を造って上演を行いました。

初日の公演を終えたあとには、団十郎、海老蔵、段四郎、亀治郎が記者会見を行い、
フランス政府から、団十郎に芸術文化勲章「コマンドゥール(Commandeur)」、
海老蔵に同「シュバリエ(Chevalier)」が授与されたことも発表されました。

芸術文化勲章は1957年に創設され、フランス共和国文化省より与えられる勲章。
章には3段階あり、コマンドゥールが最高位で、オフィシエ (Officier)、シュバリエと続きます。
ちなみに18日には文楽の吉田簑助も、フランスで行った文楽公演などの功績を称えられ、コマンドゥールを授与されています。


●松竹大歌舞伎
日程:2007/3/23〜30 オペラ座(Opera national de Paris)
演目:「勧進帳」「口上」「紅葉狩」
出演:市川団十郎/市川海老蔵/市川亀治郎/市川段四郎

●小学館「シリーズ歌舞伎」よりDVD&BOOKが2008/5/20に発売されました。
公演の模様などを収録したDVDと、インタビュー・公演記・台本などを掲載した書籍のセットです。
市川團十郎・市川海老蔵 パリ・オペラ座公演 勧進帳・紅葉狩
市川團十郎・市川海老蔵 パリ・オペラ座公演 勧進帳・紅葉狩(DVD付) (小学館DVD BOOK-シリーズ歌舞伎)

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「パリ オペラ座松竹大歌舞伎」奥付

  • Posted : 2007年3月27日 20:38
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