PR

2003年2月17日

WASABI

監督:ジェラール・クラウジック
出演:ジャン・レノ、広末涼子、ミシェル・ミューラー
制作・脚本:リュック・ベンソン

こんな大作に広末涼子が出ていいの?というのと
シーンの多くが日本という映画で、日本をどう撮るんだろう?という興味で観てみました。
感想としては、日本はそのまんま。誰かが写真を撮るのと大差ない。
(まぁそれがかえって、変に凝っておかしくしてしまっている日本映画よりよかった気がしますが)
広末涼子は、そつなくこなしていました。

DVDで観たのですが、一番思ったのが
メイキング等で監督やジャン・レノが話していた、日本ロケの話題。
新宿、渋谷など、繁華街での撮影が多かったのですが
まず撮影許可を取るのに一苦労。
傍目に公道と見える場所でも、僅かなスペースが近隣住宅の私有地だったりして
1軒でも許可してくれないと撮影ができない。
許可は下りても、通行止めにはできない。
撮影していると、すぐに人が群れ集まって撮影自体が困難になる。
日本人は皆カメラを携帯していて、隙があると写真を撮る。
だから、オフの時間もおちおち食事にさえ出かけられない。
すぐに人がたくさん集まってパニックになるので
役者は目隠ししたバスで移動&ギリギリまで待機し
撮影する瞬間だけ外に出て撮ったようです。

なんだか悲しくなりません?
映画にしろ、TVにしろ、撮影許可が困難で、
依って都心を舞台にした作品が撮りづらいという話はよく聞きますし
それは日本の国家や役所が、文化に対して理解がないからだ、
ということを文化人なんかが言いますが
国民だって、多くは外国の映画関係者にそういう感想を抱かせているんですね・・・
クルーの1人が言っていたのですが
日本の都心での撮影は、ジャングルやサバンナでの撮影を思い出す、と。

こんな体制で、
日本映画はつまらない、などと言っていても
それは監督や役者のせいではなく、それ以前の問題のような気がしてしまいます。


WASABI
WASABI

「WASABI」奥付

  • Posted : 2003年2月17日 02:24
  • Prev : « Laundry
  • Next : コラテラル・ダメージ »
  • Category : Cinema−Review | 管理人の雑文 | シアターリーグ
  • トラックバックURL

    このエントリーのトラックバックURL:
    http://www.moon-light.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/144

    コメントする