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2004年9月11日

プロ野球再編問題

あたしは、1リーグ反対、選手支持という考えなんだけれども
逆に選手を非難する声の中に
「あんなに多くの給料をもらっているから、球団の経営を圧迫しているのであって、責任の一旦は選手にもある。
選手達は、ストをして要求ばかり突きつける前に、まず自らの給与を下げる提案をするべき。」
というようなものが多数ある。
が、はっきり言ってこれはおかしな論理だと思う。

たしかに、選手の給料は高すぎると思う。
バブル時代の頃、落合がようやく1億円プレイヤーとなり、大きな話題となった気がする。
現在、日本国民の多くがあの時代よりも低賃金となっているにも関わらず
プロ野球選手だけは青天井の給与高騰。
巨人の元木なんかでも1億円プレイヤーである。
いったいどれだけ給料に見合った活躍をしている選手がいるのだろうか。

しかし、これは仕方がない面もあると思う。
10数年前、野茂が大リーグに挑戦するまでは、大リーグは日本の遙か上、
日本のプロ野球はメジャーの下に存在する、というのが
多くの日本人の考え方だったはず。
それが、野茂をパイオニアに、今では松井やイチローもメジャーの主力選手となり
日本の主力選手はメジャーに行っても活躍できる、と
今では認識されているのではないだろうか。

イチローも松井も、日本で言う数十億円のプレイヤーになるのは間違いない。
と、すると日本選手の海外流出を防ぐため、プロ選手の給与が高騰するのは、ある意味仕方がないと思える。
自らを卑下して捉えていた日本のプレイヤーが、世界でも戦えるとなったのだから
これはある意味喜ばしいことかもしれない。

近鉄の中村に5億の価値があるか?と問われれば、あるはずがないと思う。
が、だから中村が悪いのか?と問われれば、それは、そうではないと思う。

落合が現役だった頃
選手はその年その年、給与で価値を判断されているのだから、給料が高いところに行く
と、できたばかりのFAを使って巨人に移籍した。
巨人は金があるから落合を高給で雇う。
例えば、広島は金がないから、例えば前田であっても1億7千万程度しかもらっていない。
だから、かどうかはわからないが、広島からは川口も江藤も金本も出ていった。

これは、戦力の均衡という視点から、ドラフト制度を絡め、もちろん問題があるが
それは長くなるので違う機会に譲るとして、
現在の企業野球のシステムである以上、
金があれば高給の選手を雇う、金がなければ雇えない、というのは
小学生でもわかる理論ではないだろうか。
金がない、毎年数十億円の赤字だ、と言っておきながら
中村には年5億の複数年で契約する。
そして、中村が清原のようなスターか?と言えばかなり疑問だし、
イチローのような実績を残しているか?と言うと、さらに疑問である。

つまり、中村と5億複数年で契約する近鉄が、愚かなだけではないだろうか。
だいたい、契約は球団側が提示し、選手は可否を決めるくらいの権限しかないはず。
中村は、選手及び人気商売を営む上での自分の商品価値を高く売る為に
仮に中村が5億よこせと言っていたとしても、球団が中村の選手・商品としての価値を判断し、
5億の年俸に値しないと思えば、契約しなければいいだけの話である。
私たちは、君に5億の価値はないと思う、と言うか
広島のように、うちは2億以上の金は出せない、とやるか
いくらでも経営手段はあるはずである。

今回は、マスコミだけではなく、球団の経営側までもが
中村などに給料泥棒だ、というような発言をしている。
もし、本当にそう思うのであれば、そういう選手と非常識な額で複数年契約した自分たちがバカなだけであって
中村をとやかく言える筋合いではまったくない。
あたしには「私たちはそういう見積もりもできないバカなんです」と、世間にアピールしているようにしか見えない。

世間一般にはあまり話題になっていないが
近鉄は、昨年も近鉄劇場、OSK歌劇団を簡単に手放し、俳優やスタッフ達を路頭に迷わせている。
今回のオリックスとの合併は、ファンには残念なことと思うけれど
劇場や劇団を手放した経緯から見ても、
近鉄という会社には、文化やスポーツに携わる資格はないと思う。
そういう意味で、近鉄が球団を手放すことはプロ野球界にとって寧ろ良かったのではないか、とさえ思っている。

「プロ野球再編問題」奥付

  • Posted : 2004年9月11日 02:00
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