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2005年8月10日

モーツァルト!

帝国劇場で上演中の「モーツァルト!
マチネ(昼の部)を観劇してきました。

モーツァルト!
モーツァルト:中川晃教
コンスタンツェ:木村佳乃
レオポルト:市村正親
コロレード大司教:山口祐一郎
ナンネル:高橋由美子
ヴァルトシュテッテン男爵夫人:香寿たつき
セシリア・ウェーバー:阿知波悟美
カール・ヨゼフ・アルコ伯爵 :花王おさむ
エマヌエル・シカネーダー:吉野圭吾


初演で観たとき、中川晃教のパワーに圧倒され、すっかり魅了されてしまったこのミュージカル。
3年ぶりの再演も、やはり素晴らしい舞台でした。
実は7/26のソワレも観てきたのですが、まとめて感じたことを。

初演で、荒削りながら素晴らしかった中川晃教。
今回の再演でもその迫力は失っておらず、かなり良い感じに成長しているように思いました。
舞台に慣れ、芝居やダンスが身について行くに従って、こぢんまりとまとまってしまうのを怖れていたのですが
成長は見せつつも、小手先のテクニックに走ったりすることもなく良かったように思います。
あとは、ちょっと低音の通りが悪い感じがするのが気になりましたが、
男は30くらいで声が太くなってくるので、その辺りは大丈夫かな?
しかし、舞台俳優としては背が低いのが可哀想。
改めて見てみると、よくあの身長で抜擢されたなぁと感心しました。
彼は存在感があり、キャラクターに魅力がある稀有な存在で、スターになる要素充分のような気がします。
是非ミュージカル俳優としても続けていってほしいと願うのですけれど、
本人は音楽の方がやりたいのでしょうか・・・?

コンスタンツェは、今回のダブルキャスト・西田ひかると木村佳乃は共に見直しました。
初演の最初は松たか子がコンスタンツェを演じており
初演後半から演じるようになった西田ひかるは、何かオドオドした感じで
普段の物怖じしない様子からは想像つかない雰囲気に感じられましたが、
今回の再演ではそれが見事払拭されていました。
やっぱり公演途中から入っていくのは難しかったのでしょうか。
初演時の私が観た日だけそうだったのかもしれませんけどね。

木村佳乃に関しては、演技で松たか子、歌では西田ひかるに勝てないだろうと
実はあまり期待せずにいたのですが、かなり見直しました。
舞台の上でこれだけ自由に演じることができるというのは、若手の中では特筆ものだと思います。
正直、歌の面では金を取れるレベルではないような感じでしたが
芝居の面ではかなり感心させていただきました。
今後、ミュージカルでなくストレートプレイでもっと観てみたい女優さんです。
驚きでした。

あとは、一人別格な雰囲気の山口祐一郎、
女優陣では抜けて安定している感のある高橋由美子、
エンターテイメントが素晴らしく、ダンスも綺麗な吉野圭吾などは、変わらず安心して観られました。
高橋由美子を観るたびに思うのですが、彼女は容姿も美しいし、歌も芝居も上手いし、
ミュージカル女優として完璧な素養を兼ね備えている気がするのですが、何が足りないんでしょうね。
あと何かがあれば、大舞台で主役を張ることのできる女優だと思うのですが・・・
中川晃教がトップを張れるのと正反対な感じで、
すべてを卒なくこなしてしまえるのが、逆に災いしているのでしょうか?

父親役の市村正親は、初演時と役作りを変えて挑まれた感じで
以前より毅然とした父を演じているようですが、
それほどわかりやすく厳しい父親を演じなくとも、抑えた芝居の中でそれを醸し出せる俳優だと思うので
今回のように演じなくとも良かったような。
まぁ、これは好みの問題ですね。


私はモーツァルト!がミュージカルの中で一番好きな作品です。
一般には「エリザベート」や「オペラ座の怪人」がチケットの売れ行きも良いようですが
私は、この作品こそ一人でも多くの方に観てほしい作品です。
特に、ミュージカルを観たことのない方、
市村正親・山口祐一郎を観たことのない方には、お薦めの舞台だと思います。
東京公演もまだチケットが入手可能なようですし、
今後、名古屋・博多の公演も控えていますので、お近くの方は是非!

モーツァルト!
オフィシャルサイト

「モーツァルト!」奥付

  • Posted : 2005年8月10日 23:21
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