見得

「見得」(みえ)

歌舞伎の見どころの1つに、役者が一瞬動きを静止し、
首を振ったりした後に、寄り目で睨むようなポーズを取る場面があり、これを「見得を切る」と言います。
見得は、物語の重要な場面や登場人物の感情が盛り上がった場面などで用いられます。
一度動きを止めてポーズを決めることで、その場面や登場人物の心持ちを強調刷るわけですね。

この「見得」という言葉は、「見える」の連用形で、
「見栄を張る」などの「みえ」と同じような意味合いです。
英語に翻訳するときには、辞書をひくと「striking pose」になっていますが、
KABUKIの「Mie」として、そのまま紹介されることも多くなっています。

見得は、江戸の荒事から生まれた歌舞伎独特の演技・演出法で、
多くの場合「ツケ」を打ち、太鼓などの鳴り物を加えて強調します。
中でも、頭をぐるりと廻し、ツケをバタリと打つ際立った見得のことを「大見得」(おおみえ)と言い、
これは出来もしないことをさも出来るかのように言う、という比喩として一般にも使われていますね。

見得の所作を見ると、仁王像などの仏像の影響が強いと考えられており、
一説には市川團十郎が不動明王を模した見得が元とも言われます。
そして、この不動明王の見得は「不動の見得」と名称が付けられている他、
「勧進帳」の弁慶が行うことで有名な、石を投げたような姿の「石投げの見得」、
「暫」などで見られる荒事を代表する「元禄見得」(げんろくみえ)、
2人で同時に行う「天地の見得」(てんちのみえ)など、
見得には様々な種類があり、こうして名称が付けられているものも在ります。

「見得」奥付

  • Posted : 2010年12月19日 14:56
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