レビュー

「レビュー」(revue)

レビューとは、歌と踊りに時事風刺劇を組み合わせた舞台芸能のことです。
舞台演劇の様式の一つと言えますが、
レビューは風刺劇であり、寸劇であり、華やかな歌や踊りのショーでもあるというように明確な定義がなく、
現在ではミュージカルボードビルバラエティ、ショーなどと、
はっきりとした区別がつけられなくなっています。

「レビュー」の語源は、批評などを意味するフランス語「revue」です。
レビューと言えば、批評や評論という意味で使われる場合もありますが、こちらのレビューは英語の「review」。
「revue」は英語にもなっており、単語として別々に憶えなければならないのですが、
フランスにおけるrevueも、当初は1年間の出来事を扱った風刺劇のことを意味していたそうです。
つまり、世の中のことを批評するような芝居だったことから、
批評を意味する「レビュー」という呼び名が付いたようです。

レビューは、1800年代にフランスなどで誕生し、
その後、イギリスやアメリカでも1900年代前半に隆盛を誇りました。
日本で初めてレビューの公演が行われたのも、
宝塚歌劇団が1927年9月1日に上演した「モン・パリ -吾が巴里よ-」と言われています。

それまでの宝塚歌劇団では、「マッチ売りの少女」などの洋物の童話や、
モダンダンスなどを中心とした舞踏劇なども上演してはいましたが、殆どの上演作品は和物でした。
しかし、宝塚歌劇団の劇作家・岸田辰彌は外遊先で観た
パリの風景やレビューの華やかさを再現したレビュー「モン・パリ」を制作。
これが、日本で初めて「レビュー」という言葉が使われた作品であり、
宝塚歌劇団の象徴である大階段ラインダンスが初登場した作品でもあります。
また、「モン・パリ」は、1時間半という大作であり、
短時間の作品を4〜5作品上演することが多かった
当時の常識を覆す画期的な作品でもありました。

1930年には、今も歌い継がれている「すみれの花咲く頃」が主題歌の
白井鐵造作「パリゼット」が誕生し、レビューの完成形と言われています。

「レビュー」奥付

  • Posted : 2009年12月 6日 22:39
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