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2009年9月13日

■第66回ベネチア国際映画祭

9月2日から12日まで、イタリアで開かれる第66回ヴェネチア国際映画祭が開催されました。

映画祭のメインとなるコンペティション部門では、
最高賞に当たる金獅子賞をイスラエルのサミュエル・マオス監督の「レバノン」が受賞。
坂本龍一が音楽を担当したシリン・ネシャト監督「女たち」が銀獅子賞(監督賞)に選ばれました。
日本からは、塚本晋也監督「TETSUO THE BULLET MAN」が同部門に出品されていましたが、残念ながら受賞は逃しています。

「TETSUO THE BULLET MAN」は、
身体が金属に侵食されていく男の恐怖を描いた、塚本晋也監督「鉄男」シリーズの最新作。
海外展開を視野に入れて全編英語で創られており、映画祭では9月6日に上映されています。
映画の撮影期間は2008年9月〜2009年4月。
塚本監督はベネチア映画祭にて、
2002年「六月の蛇」でコントロ・コレンテ部門審査員特別賞を受賞。
1998年「BULLET BALLET バレット・バレエ」、2000年「双生児」、
2004年「ヴィタール」を招待作品として上映しており、今回が5度目の正式出品。
また、1997年には大島渚以来の審査員も務め、2005年にも2度目の審査員として参加しています。

その他、コンペ以外の部門の日本関連の話題としては、
9月7日に、来春の黒澤明監督生誕100周年を記念して、
黒澤監督に影響を受けた監督などが参加した国際シンポジウムが開催されています。
日本からは、黒澤監督の右腕だったプロダクションマネジャーの野上照代と、
監督と親交が深かった批評家のドナルド・リチーが出席。
黒澤監督は、第12回(1951年)映画祭のときに「羅生門」で金獅子賞を受賞しています。

2007年に北野武監督にちなんで創設された「監督・ばんざい!賞」、
第3回の受賞者はシルベスタ・スタローンでした。

また、今回から新しく「プレミアム ぺルソール 3-D アワードセレモニー」(3D映画賞)が設立されました。
前年9月から2009年8月までに製作された最もクリエーティブな3D長編映画の中から、
最もクリエイティブな作品が表彰されるもので、第1回となる今年はアン・リー監督が審査委員長。
審査結果が発表される11日には、
日本映画初となるデジタル3D実写長編映画「戦慄迷宮3D」(清水崇監督)が
"ワールドプレミア3Dフッテージ"上映され、清水崇監督は3D映画のプレゼンターも務めました。
なお、第1回受賞作はジョー・ダンテ監督「ザ・ホール」に決まりました。


▼第66回ベネチア映画祭
金獅子賞(最高賞):「レバノン」サミュエル・オマス監督
銀獅子賞(監督賞):シリン・ネシャト監督「ウィメン・ウィズアウト・メン」
コッパ・ヴォルピ(男優賞):コリン・ファース「ア・シングル・マン」
コッパ・ヴォルピ(女優賞):クセニア・ラポポート「ラ・ドッピア・オラ」
マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞):ヤスミン・トリンカ「イル・グランデ・ソーニョ」
オゼッラ賞(技術貢献賞):シルヴィア・オリベ「ミスター・ノーバディ」
オゼッラ(脚本賞):トッド・ソロンズ 「ライフ・ドュアリング・ウァータイム」
審査員特別賞:「ソウルキッチン」ファティ・アキン監督
批評家連盟賞:「ルルド」ジェシカ・ハウスナー監督


「TETSUO THE BULLET MAN」
公開:2010年 全国ロードショー
配給:アスミック・エース
監督・脚本・原作・撮影・美術・照明・出演:塚本晋也
出演:エリック・ボジック/桃生亜希子/中村優子

「戦慄迷宮3D」
公開:2009/10
配給:アスミック・エース
監督:清水崇
脚本:保坂大輔
出演:柳楽優弥/蓮佛美沙子/勝地涼/前田愛/水野絵梨奈/松尾スズキ
DVD:戦慄迷宮3Dプレミアム・エディション【初回限定生産】
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コンペ部門出品作(全23作+サプライズ出品2作)
・ファティ・アキン「ソウル・キッチン」ドイツ
・ジュセッペ・カポトンディ「ラ・ドッピア・オラ」イタリア
・チェアン・ポウ・ソイ「アクシデント」香港
・パトリス・チェレオ「ペルセクシオン」フランス
・フランチェスカ・コメンチーニ「ロ・スパジオ・ビアンコ」イタリア
・クレール・ドニ「ホワイト・マテリアル」フランス
・ジャコ・ヴァン・ドルマル「ミスター・ノボディ」フランス
・トム・フォード「ア・シングル・マン」アメリカ
・ジェシカ・ハウスナー「ロウルデス」オーストリア
・ヴェルナー・ヘルツォーク「バッド・リュテナント:ポート・オブ・コール・ニュー・オリンズ」アメリカ
・ジョン・ヒルコート「ザ・ロード」アメリカ
・ヴィムクヒティ・ジャヤサンダラ「ビトウィン・ツー・ワーズ」スリランカ
・アーメド・マハール「ザ・トラベラー」エジプト
・サミュエル・マオス「レバノン」イスラエル
・マイケル・ムーア「キャプタリズム:ア・ラブ・ストーリー」アメリカ
・シリン・ネシャト「ウーマン・ウィザウト・メン」ドイツ
・ミケーレ・プラチド「イル・グランデ・ソグノ」イタリア
・ジャック・リヴェット「36・ヴ・デュ・ピ・ソン・ロウ」フランス
・ジョージ・A・ロメロ「サバイバル・オブ・ザ・デッド」アメリカ
・トッド・ソロンズ「ライフ・ダーリング・ウォータイム」アメリカ
・ジュゼッペ・トルナトーレ「バアリア」イタリア
・塚本晋也「TETSUO THE BULLET MAN」日本
・ヨンファン「プライス・オブ・ティアーズ」中国
・ブリヤンテ・メンドーサ「ローラ」フィリピン
・ヴェルナー・ヘルツォーク「マイ・サン、マイ・サン、ホワット・ハブ・ヤ・デゥーン?」ドイツ


ベネチア映画祭 オフィシャルサイト

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「第66回ベネチア国際映画祭」奥付

  • Posted : 2009年9月13日 15:06
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