オペレッタ

「オペレッタ」(operetta)

「オペレッタ」とは、元々イタリア語で「小さいオペラ」を意味する言葉です。
芝居のジャンルの1つで、日本では「軽歌劇」「喜歌劇」などと訳しますが、
現在では欧米を中心に「オペレッタ」が世界共通の言葉となり、
台詞と歌と踊りで構成される音楽劇を指すようになりました。

オペレッタは、オペラと同じような劇場・音楽・作品形式で上演される舞台公演ですが、
一般にオペラよりも規模が小さく、娯楽性の高い作品のことを指します。
では、具体的にオペラとオペレッタは何が違うのかというと、
多くのオペラには台詞がなく、歌手が踊ることはありませんが、
オペレッタには台詞があり、ソリストでも歌いながら踊ることがある、
また、オペラは悲劇が多いですが、オペレッタは喜劇がほとんど、などといったことが挙げられます。

このように挙げていってみると、オペレッタはミュージカルに近い感じがしますが、
ポピュラー・ミュージックが用いられることの多いミュージカルに対し、
オペレッタで使われる音楽はクラシック系のオペラでも使われる曲が中心であり、
作品の持つ雰囲気やスタイルが違うということが挙げられます。
また、近現代に誕生したミュージカルは商業演劇的な立場であり、
PA、つまりマイクやアンプを使って大劇場で上演されることが多いのに対し、
オペレッタはオペラの歌唱・発声で、歌劇場にて上演されるのが前提となっています。

しかし近年は、ミュージカルにおけるオペラ調の作品をオペレッタと呼ぶこともあります。
また、オペラには絶対に台詞がないわけではありませんし、
逆にミュージカルにも楽曲だけで構成された作品も存在します。
つまり、これらを言葉の上でジャンル分けするのは困難であり、
実際にはそれらが発祥・発展していった国や文化、歴史などが重要になってくるわけです。
敢えて定義付けするならば、舞台の総合芸術であるオペラに対し、
大衆向けに娯楽性を強くしたものがオペレッタという感じでしょうか。

「オペレッタ」奥付

  • Posted : 2009年4月30日 17:00
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