演劇ニュース

目が見えず、耳が聞こえず、話すこともできない三重苦の障害を克服したヘレン・ケラーと、
献身的な介護で奇跡を起こした家庭教師アン・サリバン（アニー・サリヴァン）。
これまで何度も映画・舞台化されてきた日本でも有名なこの物語が、今秋舞台で上演されます。

「奇跡の人」は、ウィリアム・ギブソン(William Gibson)が戯曲化したものを1959年にアメリカで舞台として上演したのが最初になります。
この舞台が好評だったため、1962年に舞台と同じキャストである、ヘレン役：パティ・デューク (Patty Duke)、サリヴァン先生役：アン・バンクロフト (Anne Bancroft)で映画化。
同年のアカデミー賞では、アン・バンクロフトが主演女優賞、パティ・デュークが助演女優賞を受賞しています。
監督も、舞台と同じアーサー・ペン。
ちなみに、1979年に再び映画化された際には、1962年の映画ではヘレン役だったパティ・デュークがサリヴァン先生役を務めています。

今回の公演は、サリヴァン先生役：田畑智子、ヘレン役：石原さとみ。
これまで日本で上演された6公演では、すべて大竹しのぶがサリヴァン先生を務めてきましたが、
役年齢が20歳に設定されているせいか、現在25歳の田畑智子に。
ヘレン役は、今回が初舞台となる石原さとみ。ちなみに役年齢は7歳。
報道に拠ると、石原さとみは2003年春に上演された前回公演（ヘレン役：鈴木杏）を観劇していたそうです。

ヘレンは、物語のラストで、物には名前があることを理解し「water」と話す以外は台詞がなく、
うなるような声や動きだけで演じなければならない難役。
映像の世界で順調に女優の道を歩んできた石原さとみがどう演じるのか楽しみですね。

※2009/6/11追記
2009年秋の再演が決まりました。
今回は高畑充希がヘレンケラーを演じ、2003年公演でヘレンケラー役を務めた鈴木杏がアニー・サリヴァン役を務めます。

●舞台「奇跡の人」
日程：2009/10/23〜11/08　Bunkamuraシアターコクーン(東京)
　　　2009/11/14〜11/15　イズミティ(宮城)
　　　2009/11/20〜11/22　愛知県勤労会館(愛知)
　　　2009/11/27〜11/29　シアターBRAVA!(大阪)
演出：鈴木裕美
原作：「奇跡の人」William Gibson
出演：鈴木杏/高畑充希/中尾明慶/重田千穂子/大家仁志/七瀬なつみ/佐藤B作
チケット：[東京][宮城][愛知][大阪]

●舞台「奇跡の人」
日程：2006/10/04〜22　青山劇場(東京)
　　　2006/11/03〜05　愛知県勤労会館(愛知)
　　　2006/11/10〜12　シアターBRAVA!(大阪)
　　　2006/11/14〜15　広島郵便貯金ホール(広島)
　　　2006/11/18〜19　北九州芸術劇場(福岡)
演出：鈴木裕美
出演：石原さとみ/田畑智子/梨本謙次郎/小島聖
主催：ホリプロ
チケット：[ぴあ]

●舞台「奇跡の人」
日程：2003/3/02〜4/05　Bunkamuraシアターコクーン
　　　2003/4/07〜4/13　近鉄劇場
演出：鈴木裕美
出演：鈴木杏/大竹しのぶ/キムラ緑子/辻萬長/吉田鋼太郎/長塚圭史/松金よね子/歌川椎子

▼過去のヘレン・ケラー役
1986：安孫子里香
1987：荻野目慶子
1992：中嶋朋子
1997：寺島しのぶ
2000：菅野美穂
2003：鈴木杏
2006：石原さとみ
2009：高畑充希

●映画「奇跡の人」
1962年　アメリカ
監督：アーサー・ペン
出演：アン・バンクロフト/パティ・デューク/ビクター・ジョリー/インガー・スベンソン
DVD：奇跡の人

レンタルDVD：DMM

●映画「奇跡の人」
1979年　アメリカ
監督：ポール・アーロン
出演：パティ・デューク/メリッサ・ギルバート/ダイアナ・マルドア/チャールズ・シーバート