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2007年10月19日

■文化祭でも著作権料?

18日のNEWS23で「文化祭でも著作権料? 」という特集を放送していました。

番組では、都立日比谷高校・青山高校を例に挙げ、
文化祭での演劇上演に著作権の許諾、著作権料が必要なことを報じていました。

著作権法第38条第1項では、営利を目的としない上演で、無料かつ無報酬の公演の場合、
著作物を公に上演することが認められています。
これは学校の文化祭での上演ももちろん含まれますので、
基本的に許諾・著作権料は不要ということになります。

しかし問題なのが、同一性保持権に関する部分。
著作権法第20条には、「著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、
その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。」と定められています。
文化祭などの学校上演では、一般に2〜3時間ある戯曲を1時間ほどに改編することが多く、
著作権を管理している側からすると、この辺りが問題になっています。

番組の中では、著作権管理会社の社長が、
「同一性保持権を侵害している以上、著作権料の支払いが必要で、無理なら上演を諦めてもらうしかない」
といった旨のことを発言していました。
同一性保持権を侵害しているから、著作権料を支払え、という論法はちょっとおかしい感じもしますが、
著作権への理解と共に、創作者の作品への想いも、きちんと理解する必要はあるようにも思います。

創作者としては、学生のために無料で戯曲を使ってもらうことは問題なくても、
改編された作品がどこまで原作者のものなのか、どこから学生が改編したものなのか、
一見の観客にはわからないでしょうし、それは作品評価にもつながるため、
その辺りが一番大きな問題になるような気がします。

一方で、創作者側の権利ばかりを主張していると、実際に上演などが為される機会が減少し、
文化として全体の衰退にも繋がりかねない点も危惧されます。
創作者としても、作品は多くの人に観てもらいたいものだと思いますし、
その辺り、両者のバランスが大切になってくるような気がします。
お互い、相手の立場になって考え、話し合いができれば良いのですが。

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「文化祭でも著作権料?」奥付

  • Posted : 2007年10月19日 17:39
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