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2009年6月15日

■上海が東のブロードウェイに

AFP通信が「上海が東のブロードウェイに」という記事を掲載しています。

これは「Broadway of the East」という見出しの、フランスの通信社・AFP通信6月8日付けの記事。
記事に拠ると、中国・上海にあるマジェスティック劇場(Majestic Theatre)があるエリアには
20以上の劇場が集まりって「Drama Valley」と呼ばれています。
上海市の政府も、アメリカのブロードウェイ、ロンドンのウエストエンドに
10年以内には肩を並べようと計画し、様々な方面から進展させているとのこと。

しかし、プロジェクトはユニークな難題にも直面しています。
上海の演劇界はまだ発展を始めたばかりで、
政府筋ではない劇団の多くは会場や資金の面で苦労している上、上演には政府の許可も必要。
つまり、中国の社会や政治と同じ課題があるとしています。

政府はPRに莫大な金額を投資していますが、
関係者は、オリジナルのショーを創ったり、若手のアーティストを育成することに使うべきと述べ、
またブロードウェイ・Times Squareの周りには36の劇場があるだけでなく、100のレストランや50のホテル、
ミュージシャンやストリートパフォーマーもいるなど、これらすべてが一体となって活力とエネルギーを生み出していると分析しています。

そして、小さな劇場やワークショップでアングラな作品ができれば、Drama Valleyのプロジェクトは進展する、
非常に大きな劇場など必要ではない、というコメントで記事は結ばれています。


日本では国の検閲はありませんが、基本的には似たような問題を抱えている雰囲気が伝わってくる記事でした。
行政はハコものを造ればいいと考えるようですが、現実はそういうことではないわけですよね。

日本でも「何処何処にブロードウェイを」、つまり常設の商業的劇場街を作ろうという声はよく耳にしますが、
実現はかなり困難であろうことが予想されます。

それは、日本は街が狭いとか、観劇の文化が根付いていないなどといった文化や環境などの面もあるとは思いますが、
最大の問題は、大劇場でロングラン公演を打てるようなコンテンツを創造できていない、というところではないでしょうか。
古典芸能である歌舞伎や、スターを見に行く商業演劇では長期の大劇場公演を打てたとしても、
ブロードウェイの代名詞ともいえるミュージカルでは、日本のロングラン公演の多くが海外の演目。
四季や宝塚などの劇団が頑張ってオリジナルを創っていますが、
大規模なプロデュース公演を行っている企業が、作品やスタッフ、俳優などの育成に真剣に取り組み、
ある程度の成功事例が出揃わない限り、なかなか難しいだろうと想定されます。

結局は日本もこの上海の記事と似たような状況だと思いますし、
現実的には、下北沢のような小劇場街が発展していくのが良い形なのでしょうか。
言うなれば、ブロードウェイではなく、オフ・ブロードウェイを作る事を考えれば良いのかもしれませんね。

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「上海が東のブロードウェイに」奥付

  • Posted : 2009年6月15日 23:12
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