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2010年12月 5日

■武智鉄二という藝術 あまりにコンテンポラリーな

森彰英による武智鉄二の評伝「武智鉄二という藝術」が12月25日に刊行されます。

武智鉄二(たけち てつじ)は、大正元年大阪梅田生まれ。
京都帝国大学に進学し、演劇評論家として個人雑誌「劇評」を刊行。
「断絃会」では私財を投入し古典芸能の保護育成に努め、
「武智歌舞伎」では"扇鶴(せんかく)時代"とも呼ばれる中村扇雀、坂東鶴之助の人気が沸騰。
市川雷蔵を世に出すきっかけをつくり、さらには谷崎潤一郎、三島由紀夫らの人脈で
現代劇やオペラの世界までその演出は広がり、
新しい芸術理論の提唱者・実践者として武智の名は知られるようになるが......

後半生はポルノ映画をとり続ける。
「黒い雪」は公開と同時に「わいせつ図画公然陳列罪」に問われ裁判となる。
「白日夢」は愛染恭子・佐藤慶のホンバンが話題に。
そして参議院選挙に自由民主党より出馬、落選。
昭和63年7月、武智が生涯を閉じたときの新聞・雑誌の見出しは「ホンバン中にも背広にネクタイ 両極端を歩んだ奇才の死」、
「『歌舞伎』から『ハードコア』まで 『革命』に命捧げた鬼才逝く」などであった。 
古典芸能関係者はいかに武智の業績が素晴らしかったかを語り、最後に小声で付け加える。
「ポルノ映画さえやらなければ......」と。
またポルノ映画関係者は「伝統芸能で鍛えられただけに、どこか違っていましたね」という。

森彰英による武智鉄二、初の評伝「武智鉄二という藝術」は、
水曜社より12月25日に発売。

武智鉄二という藝術 あまりにコンテンポラリーな
武智鉄二という藝術 あまりにコンテンポラリーな

発売:2010/12/25
定価:2,940円(本体 2,800円 + 税5%)
著者:森 彰英
A5判/上製/本文360頁

目次
序 章 今なお見え隠れする「武智鉄二」
第一章 武智鉄二がいた時代
第二章 対極を生き抜いて
第三章 異才のルーツ
第四章 ぜいたくのレッスン
第五章 「滝川事件」と祇園と速水御舟、そして劇評へ
第六章 『かりの翅』の世界
第七章 「断絃会」の日々
第八章 「武智歌舞伎」の栄光
第九章 戦闘的論争者の挫折
第十章 奇妙な裁判劇
第十一章 果てしなき迷走
第十二章 武智鉄二は「終わらない」か
年表

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「武智鉄二という藝術 あまりにコンテンポラリーな」奥付

  • Posted : 2010年12月 5日 17:44
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