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2014年3月14日

■第64回芸術選奨 演劇部門は吉田和生と吉田鋼太郎

演劇部門新人賞は森新太郎。映画部門では是枝裕和と鈴木敏夫が受賞しました。

芸術選奨文部科学大臣賞は、演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術、放送、大衆芸能、芸術振興、評論等、メディア芸術の11部門において
優れた業績を挙げた人や新生面を開いた人を表彰する文化庁の芸術賞。
第64回となる2013年芸術選奨は、18名が文部科学大臣賞を受賞しました。

演劇部門は、通し狂言「伊賀越道中双六」お谷などの成果で文楽人形遣いの吉田和生と、
「ヘンリー四世」におけるフォルスタッフの演技で吉田鋼太郎が受賞。
吉田鋼太郎は「シェイクスピアの陰陽交えた道化的喜劇性を巧みに表現したその演技は、世界的にもシェイクスピア上演史に一つの重要な道標を刻むものである」と評されています。

映画部門は、「そして父になる」の是枝裕和と、「風立ちぬ」「かぐや姫の物語」のプロデューサー鈴木敏夫が受賞。
是枝裕和は、常に現代社会の重いテーマを取り上げながら、普遍性の高い解釈で幅広い観客の関心を集めてきたとして、現在の映画界では稀 有な存在と評価されました。

評論などの部門では、演劇評論家の大笹吉雄と、映像・比較文化研究家の四方田犬彦が受賞。
日本演劇史の研究で大きな業績を挙げてきた大笹吉雄は、昨年9月に上梓された「最後の岸田國士論」において、
岸田國士の人生を「国際結婚とその落とし児たち」「軍人であること」「演劇革新」という岸田が抱え続けた三つの視点から論じた、優れた評論であると評されています。

その他、音楽部門は、清元節三味線方の清元美治郎と、地歌・箏曲演奏家の藤井泰和。
舞踏部門は、舞踏家の笠井叡。
放送部門は、ドラマ「Woman」の演出で水田伸生。
大衆芸能部門は、ジャズピアニストの小曽根真と、落語家の五街道雲助。
芸術振興部門は、大道芸プロデューサーの橋本隆雄。
文学部門は、作家の玄侑宗久と、俳人の澤好摩。
美術部門は、美術家の大竹伸朗と、画家の福田美蘭。
メディア芸術部門は、漫画家の諸星大二郎が受賞しています。

また、文部科学大臣新人賞は11名が受賞。
演劇部門では、新国立劇場「エドワード二世」、劇団昴「汚れた手」の演出で森新太郎が受賞。
両作共に現在は上演される機会の少ない作品であるものの、森新太郎は舞台美術、照明を生かした演出により、現代の観客の前に普遍的な作品として新たに提示したと評されています。

その他、映画部門は「舟を編む」の石井裕也監督。
舞踊部門は「かしく道成寺」で猿若清三郎。
音楽部門はピアニストの小菅優。文学部門は藤島秀憲。美術部門は米田知子。放送部門は吉崎健。大衆芸能部門は声優の水樹奈々。
芸術振興部門は「あいちトリエンナーレ2013 揺れる大地」などの成果で五十嵐太郎。
評論等の部門は佐藤志乃。メディア芸術部門は中村勇吾が受賞しています。

第64回芸術選奨の贈呈式は、3月19日に都市センターホテルで行われます。

2013年演劇賞 | 芸術選奨 | 演劇・戯曲賞
●書籍:最後の岸田國士論 (中公叢書)

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「第64回芸術選奨 演劇部門は吉田和生と吉田鋼太郎」奥付

  • Posted : 2014年3月14日 19:52
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