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2009年12月30日

■新聞の2009年演劇回顧

2009年演劇界を振り返る、新聞記事です。

読売新聞

12月16日に「回顧2009 演劇」を掲載。
大見出しは「89歳森光子挑戦は続く」で、森光子が89歳の誕生日に「放浪記」主演2,000回を達成した一方、森繁久彌が96歳で亡くなったこと、
9時間に及ぶ大作「ヘンリー六世」「コースト・オブ・ユートピア」を冒頭で挙げています。

ベテランの小見出しでは、森光子の他に井上ひさし、別役実、蜷川幸雄、仲代達矢、鳳蘭、渡辺美佐子、安井昌二、
中堅・若手では、鵜山仁、浦井健治、ソニン、生瀬勝久、劇団四季「春のめざめ」、
「風が強く吹いている」、「鴨川ホルモー」、前川知大、野田秀樹、前田司郎を挙げています。

劇場では、シアタートップス江古田ストアハウスが閉館した一方、
座・高円寺がオープン、「フェスティバル/トーキョー」の開催を挙げ、
劇団四季では「キャッツ」が4年半のロングランに幕、みなとみらいの新劇場で続演、四季劇場[夏]オープン発表が記されています。

物故者では森繁久彌の他に、俳優座の浜田寅彦、元宝塚の大浦みずき、青年座の演出家・鈴木完一郎、青年劇場の西沢由郎、東京演劇アンサンブルの岩田安生を記載。

12月14日には「回顧2009 伝統芸」を掲載。
さよなら歌舞伎座」連日盛況の大見出しで、歌舞伎座の建て替え、
また上方落語の桂米朝、坂田藤十郎の文化勲章を冒頭で挙げています。

歌舞伎では、歌舞伎座の話題と、坂田藤十郎以外に、
「納涼大歌舞伎」が20年の節目で宮藤官九郎・野田秀樹の新作が昼夜に並んだこと、
勘三郎が串田和美と組んだ「コクーン歌舞伎」10回目、
香川琴平町の「四国こんぴら歌舞伎」25回目、
NINAGAWA十二夜」や市川團十郎・海老蔵のモナコ公演など海外公演が盛んだったこと、
海老蔵が漫画の原作者を原案に迎えた「石川五右衛門」、
勘太郎が2012年に勘九郎を襲名することが決まったことなどを挙げています。

落語・能・狂言などでは、今年も落語ブームが堅調だったこと、
世阿弥の著作が世に出て100年で記念行事が相次いだこと、
観世流が文書をネットで無料公開したこと、
狂言の人間国宝・野村万作が78歳で16年ぶりに大曲「釣狐」に挑んだこと、
文楽では「テンペスト」を翻案した「天変斯止嵐后晴」を上演したことなどを記載。
物故者では、落語家の三遊亭圓楽、五郎兵衛、中村又五郎、藤間紫などを挙げています。


朝日新聞

12月7日「回顧2009 今年の演劇を振り返る」で掲載。
今年目についた潮流として超大作、祝祭、公共劇場の3つを挙げています。
まず9時間を超える現代演劇が相次いで上演されたことに触れ、
中でも新国立劇場のシェークスピア史劇「ヘンリー六世」、鵜山仁芸術監督の演出を讃えています。
次に、満ちる祝祭感として群像劇「コースト・オブ・ユートピア」の演出・蜷川幸雄、
また「フェスティバル/トーキョー」春秋2回開催を挙げています。
3つ目の公共劇場では、野田秀樹の東京芸術劇場初代芸術監督就任
彩の国さいたま芸術劇場(蜷川芸術監督)の高齢者劇団「さいたまゴールド・シアター」、
世田谷パブリックシアター(野村萬斎芸術監督)「奇ッ怪」などを記載。

その他には、座・高円寺の開場、
新国立劇場で運営財団の芸術監督交代手続きを批判した演劇人理事2人の辞任、
森繁久弥が96歳で死去、
歌舞伎座建て替えに向けて1年4カ月に及ぶ「さよなら公演」に入ったこと、
森光子が「放浪記」2千回を達成、国民栄誉賞を受けたことを挙げています。

なお、私の3点で扇田昭彦が挙げたのは、
「ヘンリー六世」「蜷川幸雄の演出」「フェスティバル/トーキョーでのリミニ・プロトコルの公演」。


毎日新聞

12月9日「現代演劇・ミュージカルこの1年:特筆すべき3部作9時間の大作」で掲載。
冒頭は、事業仕分けにより文化・芸術関係の予算も厳しく見直された話題。
次いでシアタートップスの閉場、座・高円寺の誕生、東京芸術劇場で野田秀樹が芸術監督に就任という話題を列挙。

演劇界を振り返る件では、新国立劇場「ヘンリー六世」、シアターコクーン「コースト・オブ・ユートピア」という超大作2本を挙げ、
蜷川幸雄は高齢者の演劇集団「さいたまゴールド・シアター」についても特筆すべきとしています。

次に「前川知大ら中堅、若手作家が活躍」の小見出しながら、
前川知大のみを取り上げ、劇団イキウメ、外部作「奇ッ怪」「関数ドミノ」「狭き門より入れ」を挙げています。
そしてベテランも健闘とし、井上ひさし、別役実、
俳優では鳳蘭、三田和代、大滝秀治、市村正親を挙げています。
一方、演出家の竹内敏晴、俳優の浜田寅彦(俳優座)、演出家の鈴木完一郎(青年座)らが逝去、合掌という結び。

ミュージカルでは、東宝のシアタークリエ公演「ニュー・ブレイン」「この森で、天使はバスを降りた」「グレイ・ガーデンズ」を冒険に満ちた作品とし、
劇団四季「春のめざめ」は、四季の世界を広げたとしています。


新聞ではありませんが、日本テレビNEWS24担当記者が選ぶ芸能ニュース10で、舞台編がありましたので取り上げておきます。

1位は「演劇史上に輝く偉業達成」として森光子「放浪記」の主演2,000回。
2位は大浦みずきが亡くなったこと、3位は歌舞伎座の改築発表。
4位に堂本光一「Endless SHOCK」が通算626回を達成、森繁久彌「屋根の上のヴァイオリン弾き」を抜き、帝国劇場の単独主演最多記録を塗り替えたこと。
5位は「公共劇場に活気」として野田秀樹が東京芸術劇場の初代芸術監督に就任。
6位、檀れいが「ゼブラ」降板
7位、SMAPの香取慎吾主演のミュージカル「TALK LIKE SINGING」が11月12日(日本時間13日)、オフ・ブロードウェーで開幕。
8位、大地真央の主演ミュージカル「マイ・フェア・レディ」が4月28日、帝国劇場で日本上演1000回
9位、劇団四季がミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」を来春上演、
10位、「ヘンリー六世」第三部、9時間に及ぶ超大作。

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「新聞の2009年演劇回顧」奥付

  • Posted : 2009年12月30日 18:07
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